きよこの日記

2004年08月25日(水) ダン・ブラウン『ダヴィンチ・コード』

ある夕方、興奮気味のカトリーナが、やってきて私にずっしりとした2冊の本を手渡しました。

「もう、すんごくエキサイティングで面白いから、ぜひ読んでみて!」

今をときめく、ベストセラー、全米で60週連続ベストテン入りという
『ダヴィンチ・コード』その本だった。

書名は聞いたことがあったけど、平積みの本を買う習慣のない私なので、思いがけないめぐり合わせでした。

「連休に、ぜひ楽しんで!」とカトリーナは言ってくれたのですが、連休だけで読める自信のない私は週日の夜、お布団の中でこっそり表紙をめくりました。

「ちょっと難しいよ。最後まで一気に読んだけど、わからないところがあって読み返したもん」とのことなので、慎重に読み進める。
私にとって外国文学の第一関門は登場人物のカタカナの名前を覚えることなので、一日目は、さわりだけ・・・。と思ったのですが、物語の起点となるの殺人事件の全容すらなかなか明らかにならないのです。
横たわる死体の異様な姿、何十にも仕組まれたダイイング・メッセージ!

謎のタネがふんだんにばら撒かれながら、謎解きはじりじりとお預けです。

翌日は学校で空き時間を捻出して読んでしまいました。
・・・こんなことって前代未聞。
学校ではとても読書なんてする気になれない私だったのに。

とにかく、「知りたい!」という気持ちをかき立てられてしょうがないんです。
謎を明らかにしたい!というのもあるんですけれど、知識として興味深い記述が盛りだくさん。

まず第一にベースにキリスト教の秘密があります。
そして、ダヴィンチの芸術があります。
ヨーロッパの歴史があり、暗号があります。

「聖書は地球上の多くの人びとに基本的な道しるべを示している。コーランやトーラーやパーリ語経典、それぞれの宗教の信者を同じように導いているはずだ。(中略)
あるいは、イエスは実際に処女降誕によって生を享けたわけではないと言ってやるべきなのだろうか。信仰を真に理解するものは、その種の挿話が比喩にすぎないと承知しているはずだ。」

聖書を、歴史を、象徴を、人々がどのようにとらえ、都合の悪いものについては葬り去るためにはどのような手段をとったのかという考察を事件とリンクさせて解き明かす手法には舌を巻きます。

もちろん、主人公に迫り来るピンチ、意外な真犯人、心温まる人びとのつながり、ユーモアに富んだ会話、どれをとってもエンターテイメントとして超一流の太鼓判を押しちゃいます。

連休が始まる前に読み終えちゃったよ。
とにかくひたすらに文字を追い続ける満ち足りたときが終わってしまって・・・・さびしいな。


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