きよこの日記

2004年05月15日(土) 近年まれに見る

今日はちょっと予定のある日曜日です。
中間テストを作らなきゃ。
だけど、学校にはなかなか足が進まず、近所のカフェで遅い朝ごはんを食べる。

そして、今日のおともの本は林真理子『野ばら』
「ええー1こんな世界もあるの?!」という驚きが怖いもの見たさとあいまって、私を夢中にさせました。

主人公の一人は財閥の創始者の孫娘で今は女性雑誌のライターをしている。もう一人は宝塚の女役スター。
二人はある大学附属小学校のころからの親友。
なんだか、テレビのワイドショーの中に見る“セレブ”とか“プレミア”とかのイメージの世界ががんがんと繰り広げられて圧巻。
ただこの物語が本当に俗物的で安っぽいいやな後味を残さないで済んでいるのは、作者の力量なんだろうなあ。


〜「だけど何ていうかなア、片っ方の男の人がだめだと、もう片っ方にも興味がいかなくなるってことないかしら?
もう片っ方とすごくうまくいっている時って、他の男の人をちょっぴり受け入れる余裕もあるの。だけどね、こんな風に落ち込んでるときは駄目なの、他の男はわずらわしいだけなのよ」
「わかる、わかる」
萌にも憶えがある。熱愛中の女が貞淑かというとそんなことはなく、恋人から得る昂まりを、他でも無性に使ってみたくなるものだ。ひとりの男にすべてを与えることの不安と疑いとが、小さな浮気心をつくる。


ひとしきり読んで、呼び出しのメールを受け取り観念して学校へ向かう。
中間テストは3時間でできた。
しめしめ。
私ってば、だんだんテストつくるの早くなってきているぞ。
テストができたらとっとと撤収。

夜、のんびり湯船につかりながら新しい本に手をつける。
大崎善生『パイロットフィッシュ』
前半のもったいぶらせかたは村上春樹を意識しているのかなあ。と思いながら、うつらうつらして、ボチャン!
やべーやべーと気を取り直して読みすすめる。

後半はいい感じでのって読めました。
全然ストーリーとは関係ないんだけど、
「うちの女房は観葉植物が好きなんだけど、アジアンタムだけはなかなかうまくいかないっていつもぼやいている。
ちょっと水が不足すると葉っぱがちりちりになってきて、みるみるうちにそれが全体に広がってしまうんだって、その現象をねアジアンタムブルーと呼ぶらしい」という記述があって、この春アジアンタムの越冬に成功した私は一人ほくそ笑んだのでした。

今日はすこぶる本が読めた一日でした。
こんなに読めたことは近年ないことでなにかうれしいな。


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