この年頃の男の子って、そういうことしか頭にないんだって。 だけど、普通、学校生活の中ではそういうことをおおっぴらに口に出したり、私に相談してきたりなんてこともありっこないので、そうらいしい、と推測するだけなのですが。 男の先生とは、そんな話ばっかりだそうです。
ただ、あるクラスでの授業中に、突然でっかい声で、お下品な言葉を聞くことがありました。 まったく脈絡もなく、突然、でっかい声で。(どんな言葉かは、言いますまい。)
そんな時、私がどんなリアクションをしたか。 あきれ返りました。 あきれた顔でその顔を見つめました。 そして、何もなかったように授業を続けました。
思い返してみて、「よかったあ」と、思います。 多分、普段の友達との会話の中で、そういう言葉が出てきたりしたら、私は口ごもったり、赤面の一つでもして、明らかに過剰反応しちゃうでしょう。 だけど、もしそんな反応したら、あの子たち、うれしくなっちゃって、授業そっちのけになっちゃうだろうから、冷静にそしらぬふりをできた私のプロ根性に賞賛を。
でも、思い返してみて「なんで突然そんなこと言い出したんだろう」って。 これまでも、その子たちは、まあやんちゃな感じではいたんですが、下ねたを連呼するなんてなかったのです。 受験のプレッシャーなんだろうな、と思います。 「勉強をしなきゃいけない」と、思って、勉強に取り組むことができる子はいいのですが、そう思っても手をつけられない子がいるのです。 何から手をつけていいのかわからない、という思い。 今さら突然まじめになることが恥ずかしい、という思い。 いろいろあるんだと思います。 だけど、やらなければやらないほど気持ちは焦るばかり。そういうジレンマが授業での空回りの裏にはあるんでしょう。
私は、プリント学習をするときに、その子につきっきりでついてみました。 「いいから、ほれ、1番。これ、なんて読むだ?」 そわそわしながらも、ようやく鉛筆を握り、考えだしました。 難しい問題には、ヒントになるようなことをしゃべりながら、時間をかけてやりました。 そして、開放してあげると、「それはなー、旅のことが紀行で、生活のことが随筆なんだよ」とか、言いながら仲間のところに戻っていきました。
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