感想メモ

2007年04月05日(木) メリーゴーランド  荻原浩


荻原浩 新潮社 2004

STORY:
東京の会社をやめ、田舎の市役所に勤める啓一は、赤字にあえぐアミューズメントパーク・アテネ村のリニューアル事業を任されることになるが・・・。

感想:
 荻原浩の作品。相変わらず続きが気になり、ついつい読ませるような話だった・・・。

 公務員の体質とか、採算の取れない施設がたくさんあるとか、何だか最近の夕張市の財政破綻とかを思い起こさせるような話。結構リアルなのかもしれない。

 アテネ村のリニューアルのために奔走することになった啓一は、役所の体質とか、上からの圧力とか、様々なものに振り回され、右往左往。その様子は、働く人はやっぱり大変なんだな・・・というのを感じさせるもので。

 ただ業績を上げればいい、何かを変えればいい、というわけではなく、結局はそういう圧力が仕事をする上での一番の敵だったりするところが何とも言えない。

 最後まで振り回され続ける啓一は、頼りないと言えば頼りないけど、でも、妻子を抱えていたら結局はこうしかできないのかなーとも思うような展開だった。

 ちょっとありえないような話もあるけれど、それでも、あるかもと思えてしまう展開で、リアルさとそうでなさとが混じって面白かった。どうやったら人を集めることができるかのノウハウみたいなのが少し紹介されていて、それは結構興味深かった。
←文庫版も出ているらしい。


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