新潮文庫 1998
STORY: 東京から萩へ向かう長距離バス。様々な事情を持って乗り込んだ人が10人と、運転手2人が乗っていた。しかし、運転手は殺され、バスジャックされてしまう。運悪く、台風が近づいてきていて天候は最悪。果たして乗客たちの運命は?
感想: 久しぶりに読んだ乃南アサの小説だったけれど、やはり面白い。特にバスが走り出してからは、続きが気になって一気に読めてしまった。
乗客の人数が多いため、実のところ誰が誰だっけ?と思ってしまう部分がないわけではなかったのだけれど、それも最後には何となくはわかったし、そんなのがわからなくても楽しめる。
最後にバスが停まった場所の地名を見て、そうか、そういうことか・・・と思ったわけだけど、実はこの長距離バスの車名にも意味がこめられていたと解説で読んで、なるほど、そうだなーって思った。そういう細かい点も結構考えられている作品なのかも。
一番幸せそうに見えていた人が、実は一番自分のことしか考えてなくて冷たいんだ・・・っていう部分がちょっと怖かった。
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