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終わりなき戯言
ネスタッチ
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2002年10月27日(日)
【企画】Favorite Players Vol.3

え〜、ネスタッチ的には週末の一時を大好きなプレイヤーに思いを
はせて書くこの企画を週一くらいでできればなと思っています。
けっしてネタがないわけではない。(ないかも・・・)

それでは今日はこの選手。
チェコの若き司令塔
トーマス・ロシツキーです。

彼を最初に知ったのは、Euro2000の時です。
コラー、ネドヴェド、ベルガー、ポボルスキーを擁し、
中々前評判の高かったチェコ。
しかし開催国のオランダW杯王者フランス北の強豪デンマーク
と同じグループという激戦区に入ってしまい、最終的には一次リーグで敗退して
しまいます。

決して悪い試合だったわけではなかったように思います。
シュートがことごとくバーにはじかれたり、オランダとの試合では疑惑のPKもありました。
運がなかったとしかいいようがありません。


そのとき若干19歳の新鋭ロシツキーが試合に出たんですよ。
試合のたびにプレイタイムが伸びていったと思います。
ドリブルの切れ味、トリッキーなプレイを随所に披露していました。
ネドヴェド、ポボルスキーといった主力が本調子をだせずにいた
チームの中で唯一といってもいいほど輝いたプレイをみせていました。

Euro後にはドルトムントに移籍。すぐに10番を自分の物として
司令塔としての地位を築きました。
調子が出ずにくすぶっていたリッケンが復調したのも
ロシツキーが加入したことで自由にプレイできるようになったから
と言われています。
途中加入とは思えないフィットぶりでしたよ。

彼のインタビュー記事でとても心に残ったセリフが、
記者に「フィジカルを鍛えなくていいのか?」という質問を
ぶつけられたときの返事でした。

一見して彼は華奢です。お世辞にも当たりに強いとは言えないです。
その彼が一言・・・
「ぼくは当たられる前にパスをさばくから必要ないんだ。鍛えに鍛えて
パスさばきの反応が遅れるほうが怖い。」

フィジカルの強さっていうのは必要なファクターであると思っていたのですが、
このロシツキーのインタビューを読んで、こういう考え方もあるのかって思いました。

ロシツキーの魅力はなんといっても小刻みなステップで華麗にかわすドリブルです。
WSDなどでは「スキーのスラロームのようだ」ってよく書いてあります。
緩急も見事なんですよねぇ。
DFにしてみれば。「あれっ?」っていう感じになってる気がします。

そしてトップスピードに乗ったままで鋭いパスが出せるのもまた魅力です。
守ってる方からすれば、チェックに行けばパスを通されそうだし、かといって
手をこまねいて見ていたらあっという間に抜き去られるという怖さが
あるプレイヤーだと思います。

残念ながら、Korea−Japanにはベルギーとのプレーオフに破れ
チェコが出場できなかったのでその雄姿をみることはできませんでしたが、
まだまだ22歳。Euroのときに23歳、2006年でも25歳ですからね。
昨シーズンはドルトムントでブンデスリーガを制しました。
更に磨きをかけてぜひ大きな舞台で彼のプレイを見たいものです。