雨音の空間 - 2003年05月15日(木) 結局のところ、マイナスはマイナスでプラスはプラスでしか無い、 それ以上になる事もそれ以下になる事も無いんじゃないかなって思う。 「私、本と紙と鉛筆が旅行に一番持っていきたいもんなんだ」 『へー、そういう人って小説家になりそうじゃない?』 小説家。 そういや、そんな道もあるんだなぁ。 「そういうの、止めてください。凄く…――。」 『凄く、何?』 なんだっけ。あの言葉。思い出せない。 今、目前にいる人間にはあの言葉が必要だと云うのに。 『・・・ちゃんは、いい子ねぇ。ほぅら、いい子にしたからお小遣いあげるわ』 『あんたって図々しいんだよ。消えてよ。』 「 」 まるで、ピアノの曲が流れていく様だった。 さらりさらりと。 其の曲は恐らく、戦場のメリークリスマスに他ならない。 私はゆったりと海に沈むかの様に、優しいシーツに落ちた。 自分だけの匂いがする。 其処に他人の空気とか酸素とかなんてまだ入らないから。 空が暗くなっていくのか、明るくなっていくのか、 其の境界線が解らなかったけれど、 カーテンの隙間からふと漏れて見えた其の時の空。 まるでラピスラズリの石みたいに不思議な青だった。 あの空と此のベットが組み合わさって 私にはやっと心地の良い空間が与えられたと思った。 今なら幾らだって泣いてもいいの? ...
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