宿題

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2006年08月22日(火) おわらない夏/小澤征良
父はよく、
「夜中に目が覚めたらパパを起こしていいよ」と言って
私とユキに「おやすみ」をして、母と子供部屋の電気を消した。
だから、ちょっとでも目が覚めたら(たとえ本当は眠くても)
無理しておきて、暗くて少しこわい廊下を足早に通りすぎて、
さりげなく両親の部屋のドアを開けた。
大抵、気配で目を覚ますのは父。
私は起きてくれることを期待しながらわざとドアのギィっと
音がするように押してみる。
「子供が眠れないのはおなかがすいているからだ」
というのが両親の考えだった。
だから「眠れないの…」と演出したような困った小声でいうと、
もれなく堂々と夜中のまっくらなキッチンの電気をつけて、
父とバナナを食べることができた。


★おわらない夏/小澤征良★

マリ |MAIL






















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