宿題

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2006年02月11日(土) 迷信博覧会(天元教)/種村季弘
昭和三十年頃といえば、いまから三十年程前のことにすぎない。
その昭和三十年にまだ焦土の面影をとどめた首都圏内に
天元教という新宗教が登場したことがある。
これを報じた当時の新聞記事(「内外タイムス」)を藤沢衛彦編『妖異風俗』
が紹介している。

天元教の主旨は、
「もろもろの不幸は、ことごとく初恋のたたりである。
だから初恋の生霊、死霊を祓い浄めてつき進めば、
未来は祝福され、幸運が招来される」
というものだったという。
初恋の女(または男)とそいとげずに、その後にあらわれた異性と結婚する。
すると初恋の女の思いが霊となって残り、それが新家庭の福をことごとくに妨害する、
という言い分である。
「わたしが・棄てた・女」の怨みがいまでもそこらに漂っているということだろう。


★迷信博覧会/種村季弘★

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