宿題

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2006年02月04日(土) 徳川夢声の問答有用/岡本太郎
だけども、また逆に、ピカソぐらいわかりいい芸術はないと、ぼくは思いますよ。
あんなにピンピンと、からだにぶつかってくれる、かわいい芸術はない。
あのよさっていうのは、かれ自身のよさじゃないんだ。
ピカソ個人とピカソとは、ちがうんだからね。
ピカソの偉大さというのは、二十世紀のひとがピカソをぐっと押しあげてるすごみですよ、
ピカソ個人の凄みじゃなくってね。
歌舞伎でいうと、名門の子が名優になっちまう、あのすべてゆるされているという感じだな。

こどもの絵とピカソの絵と、どうちがうかというと、こどもの自由は許された自由で、
ピカソのは獲得した自由だと、ぼくはいうんです。
しかし、ピカソもまたゆるされてるんだな。
青の時代からキュービズムのへんまでは、獲得した自由だったが、
それから以後は、だんだんゆるされた自由になってきてる。
芸術というのは、獲得した自由と、ゆるされた自由とが、渾然とかみあったものが、
ほんとうの芸術だと思うんだ。
しょっちゅういためつけられたゴッホが、最後までゆるされなかったということは、
かれの悲劇ですよ。
しかし、全然ゆるされないで、最後まで自由を獲得しようとしたすごみが、
ゴッホにはあるわけだ。


★徳川夢声の問答有用/岡本太郎★

マリ |MAIL






















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