宿題

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2005年05月09日(月) さよなら、ガーリー/長谷部千彩
ついに観てしまった。『仁義なき戦い』を。
ヤクザ映画/実録モノを観るようになったら、女の子としてはおしまいだ。
だから、絶対に観ないと決めていた。
邦画と言っても、女子は、『黒い十人の女』とか、勝新&雷蔵とか、増村保造とか、
大映、松竹、東宝で踏みとどまらねばならないんじゃないか、と思っていた。
いいかげん、女の子というにはおこがましい年なのだけれど、
決別するには未練が残っていたのだ。人間、年をとると中性化してくる。
オヤジみたいなおばさん、おばさんみたいなオッサン、見た目も交わるが、感性も交わる。
お互い毛嫌いしているから、お互いをこき下ろしているけれど、冷静になれば“皆、兄弟”だ。
私自身、中性化が進んでいることは自覚していた。
金曜日は、週刊ファミ通の日だったのが、いつしか週刊文春の日になっている。
でも、まだ大丈夫。私は、野本かりあの仕事やってるもん。
クレージュのワンピースだって着てるもん。シュガシュガルーンだもん。
しかし、それは、崖にかろうじて指をかけている状態。
菅原文太が私の指を踏み、「われ、早くその指離さんかい」と言っている。

深作欣二は好きじゃないけど・・・血糊ドバドバ見たら、
仕事の疲れなんてふっ飛ぶに決まってる・・・どうせ女の子じゃないんだし・・・
ヤクザ映画・・・楽しそう・・・「おどれらー」とか言ってみたい・・・
ああっ!もういい!!どうにでもして!!私は東映の波しぶきに身を躍らせた。

おやつを食べながら、『仁義なき戦い』『仁義なき戦い 広島死闘篇』、
2本立て続けに観た。笑った。
映画の中で、夏木陽介が
「わしら、旨いメシくうてよぉ、マブい女抱くために生まれてきてるんじゃないの」
と言っていた。そうだ、そうだ、と頷きながら、私は戻れない橋を渡ってしまったような気分になった。


★さよなら、ガーリー/長谷部千彩★

マリ |MAIL






















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