宿題

目次(最近)目次(一覧)pastnext

2005年01月24日(月) Y字路談義。第17回/横尾忠則×タモリ
横尾 「ぼくの生理と感情とはまったく分離されています。

宝塚に行って二回目ぐらいのとき、ある人がそれで宝塚をやめる、という楽日だったんです。

ぼくはまだ宝塚のことをぜんぜん知らなかったし、トップがやめるかどうかなんて、

もともと『やめようと思うならやめればいいじゃない』ぐらいに思っていたんだけど。

ただ、やめるというその人が、袴を着て花を持って、挨拶をすると、

劇場中が、もう嗚咽なんです」

タモリ 「ええ」

横尾 「そうするともう、ぼくは別にかなしくも何ともないのに、涙がボロボロ流れてきて」



横尾 「別に、泣いたとしても、それで情を感じてるわけでもないの。

前にも、なんだったかな、『ぴあ』で素人の人が映画を作って、

それの審査やったとき、受賞式で表彰状を渡さないといけなかったんですよ。

ぼくが読まなきゃいけない。

で、読んでるあいだじゅう、涙がポロポロ流れてさ、最後まで読めないわけ…」

タモリ 「あはははは!」

横尾 「だけど、ぼく自身は、うれしくもかなしくもないわけで。

だけど涙が止まらなくて、最後まで読めなかった」

タモリ 「それ、すごい!横尾さん、すごい…」

糸井 「ぼくは今まで、賞状を読む側の人が泣いてるのは、見たことがない! 」

タモリ 「見たことねぇ!」

タモリ 「横尾さんのような、クールに『感情はどうだっていい』って人が泣くのがすごい」

横尾 「そう矛盾しているでしょう?大賞を受賞したのは夫婦だったんです。

彼らの感情がうつったんです」

タモリ 「先に向こうが泣いたんですか? 」

横尾 「いや、向こうはニコニコしてる」

タモリ 「(笑)うつってない」

横尾 「夫婦で合作で作ったものが受賞して、もう大よろこびなんですよ。

その大よろこびの姿を見たとたんに、涙が流れてきてさ…もう声が詰まってしまって、

最後まで読めない」

糸井 「つまり、それは、『よかったね』っていう思いぐらいは、

あったんじゃないですか? 」

横尾 「いや、大した思いはないんですよ!

そりゃ誰もが『よかったね』と思う程度ですね」


★Y字路談義。第17回/横尾忠則×タモリ★

マリ |MAIL






















My追加