宿題

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2005年01月12日(水) 本よみうり堂(6月24日)/長嶋康郎さんのインタビュー
なぜか、この人のこと、前から聞いていた。

絵本作家の佐野洋子さんのエッセーでは、

〈世間も浮世も無いらしく、役に立たない事だけを云う〉、

白髪のゴッホみたいな顔をした古道具屋さんとあった。

ピカーッと目を光らせる息子がいて、それが芥川賞作家の長嶋有とのことだった。

つげ義春の漫画「無能の人」のモデルといううわさもあり、

「ニコニコ通信」という面白い手書き新聞を出しているとの便りも聞いた。



開業して四半世紀たつお店には、人形、古時計、ブリキのオモチャから

用途のよくわからないものまで所狭しと並んでいた。

「わりとかわいそうな見てくれの、バカっぽいものを集めるのが好きですね。

徹底して追求しているわけではありませんが……」

値段は、「体内価格」で決めるという。

「コーヒー1杯ならいくらという感じがあるでしょう。

でも自分の『体内価格』と世間の相場はズレているみたいで……。

もうけ損ない、悔しくて眠れなくなることもある」

と語るが、とても商売熱心には見えない。

物を書き始めたのは10年ぐらい前からで、

「愚痴やら、これだけは言いたいこと、といっても大したことはありませんが、

それを書いて、勝手にお客さんや友人に送りつけてきた」そうだ。

どうにもつかみ所がないが、時間や世の常識をあまり意に介さないところは、

文章の感じそのまま。

一度だけ明言したのは、「無能の人」のモデルではないとのこと。

ただ、つげさんとは知り合いで、なんとなく牛乳瓶のフタを売っていたら、

買ってくれたのがつげさんだった。長嶋さんは「こんなものを買う人がいるのか」と思い、

つげさんは「売る人も売る人」と思ったそうだ。

なんか、こーっ、ユニークな人なのであった。


★本よみうり堂(6月24日)/長嶋康郎さんのインタビュー★

マリ |MAIL






















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