宿題

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2004年09月05日(日) 「たま」という船にのっていた/石川浩司
ただ、彼女は言わばもうひとりの俺だったのだ。



そこで考えた。

帰る家が同じなら、ずっと遊んでいられるじゃないか。

それが俺が結婚を決意した一番の理由だった。



ちなみにその(結婚)パーティには、ふたりのプロフィールやお祝いの

メッセージなどを載せたミニコミもおみやげでつけたのだが、

そのタイトルは「100年一緒に遊ぶ」であった。



この頃はさずがに何かと精神的肉体的に疲れがたまり、

家に帰るととにかく妻に一目散に甘えていた

(本当のことを言うと、今でも隙さえあればニャオ〜ンと甘えているのだが…)。

その時妻は大きな大きな見渡す限りの野原となり、俺を大の字でグースカ寝かせてくれたのだ。

妻という安息の地がなかったら、もしかして俺は泥だらけの緑色の沼にズブズブとはまって

石川五右衛門ならぬ、石川土左衛門になってこの世にはいなかったかもしれない。



家計は一緒なのでお金を賭けて遊ぶことはできなかった。

そこで「ウキュピ」という家庭内通貨を造幣し、それを賭けたのだ。

例えば50ウキュピ貯まると肩揉みとか皿洗いとか。

誕生日には、家計のお金を使って何かしょーもない無駄なプレゼントをするよりも、

そっと夜中に相手の貯金箱にウキュピ札を入れてやったりしたものだ。


★「たま」という船にのっていた/石川浩司★

マリ |MAIL






















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