宿題

目次(最近)| 目次(一覧)| past| next|

2004年08月30日(月) 躁鬱対談/吉行淳之介×林家木久蔵
ぼくは工業高校を卒業しまして、森永乳業に入ったんです。

つまらないんで一か月たたないうちにやめちゃったんですけど。

◇

(清水崑さんのところで書生をしていたことを)

びっくりしちゃったんですよ。漫画家というから、ニコニコしながら、

くだらないことばっかり言っていて、ときどきああいう絵を描いているんだろうと、

だいたい思っていたんです。

◇

(桂三木助師匠のところで書生をしていたことを)

なんてバカバカしいことだと思ったけれども、この世界はこういうものだろうなと思ったから、

半分、野次馬的なものがありましたが、やっていたんです。

◇

ぼくはなにも知らないんですよ、落語のことも興味なかったし。

いまでもあまりないんですけれどもね。

◇

私はね、けっこういろんなことができるんですよ。襖も張れるんですよ。

◇

(バクチはぜんぜんダメですか、と聞かれて)

興味がぜんぜんないんですよ。

ぼく、同じところにずっといるのが大嫌いなんです。すぐいなくなっちゃうんですよ。

◇

(スポーツ番組のキャスターをした時に)

変なところへきちゃったなと思って。まあ、月々まとめてお金をくれるし、

マイク持ってるからやんなくちゃいけないし、いやだなと思って。

同じようなユニフォームで交代して打ってるけど、

どっちが敵だか見方だかわからないんですよ。

風は強くなってくるし、西日は強くなってくるし。

いい席なんですけど、放送をやるくらいですから。

「後楽園球場には林家木久蔵さんがいっております。木久蔵さーん」って呼ばれたんです。

「はいはい、後楽園球場の木久蔵です。

いま西日が大変強く、コーラのビンにそれが映ってきれいです」

「コーラのビンなんかどうでもいんです。勝負はどうなってんですか」

「よくわかんないんですけど、この場合ピッチャーとキャッチャーは味方同士なんでしょうか」

って。ダメだなと思われたらしくて。その日はスポーツのワイド番組なんです。

今度は蔵前の国技館。お相撲さんにも興味ないんです。

ぼくの隣に解説の人がきたけど、肘掛にお腹が乗っかっちゃってるんですよ、

ダボーンて。こわいんですよ。

◇

襖張ったり、漬物をつくるのが好きなんです。漬物はうまいですよ。

◇

嫌いじゃないんです。興味がないんです。

◇

(女の人の好みの話で)

ぼく、うちのかみさんもそうですが、でっかい人に弱いんです。

ぼくを見おろすような人が好き。見おろされるとゾクゾクしてくるんです。

◇

安心するんです、すごく。

ああ、こんな大きい人も元気でいるなあと思うと、自分もうれしくなっちゃう。

◇

本当に大変だと思う、ぼくらより大きいからだの仕掛けを動かすのは。

なおかつ元気だから、大丈夫だなあと安心する。


★躁鬱対談/吉行淳之介×林家木久蔵★

マリ |MAIL






















My追加