宿題

目次(最近)目次(一覧)pastnext

2004年05月04日(火) 吉行淳之介エッセイ・コレクション4/吉行淳之介×立川談志
立川 ぼくらがそのひとの噺を聞きたいと思って、

そういう噺家になりたいと思っている師匠が出てるのに、帰る客がいる。

ほんとうに胸ぐらつかまえて「おまえ、ここになにしに来たんだ」といいたくなるくらいですね。

文楽師匠が出ると帰る客がいるわけですよ。ほんとに、そういいたいですね。

「なにしに来たの。落語聞きに来たんじゃないの。これが落語ってもんだよ。

これが落語だよ」って。

吉行 あなたはほんとうに落語が好きなんだな。

立川 好きですね。ぼくがいちばん好きなんじゃないかと思う。

ときどき寄席の外に出て、看板を見上げるんですよ。

桂文楽、古今亭志ん生、三遊亭圓生、柳家小さん・・・と名前が並んでて、

あとのほうに立川談志と書いてあるでしょう。

心の底から嬉しさがこみあげてきて、ああ、おれはいい商売を選んだと思いますね。


★吉行淳之介エッセイ・コレクション4/吉行淳之介×立川談志★

マリ |MAIL






















My追加