宿題

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2004年03月03日(水) 気まぐれ美術館  セザンヌの塗り残し/洲之内徹
セザンヌの画面の塗り残しは、あれはいろいろ理屈をつけてむつかしく考えられているけれども、

ほんとうは、セザンヌが、そこをどうしたらいかわからなくて、

塗らないままで残しておいたのではないか


セザンヌが凡庸な画家だったら、いい加減に辻褄を合わせて、苦もなくそこを塗り潰してしまっただろう。

凡庸な絵かきというものは、批評家も同じだが、辻褄を合わせることだけに気を取られていて、

辻褄を合わせようとして嘘をつく。

それをしなかった、というよりも出来なかったということが、セザンヌの非凡の最小限の証明


私にとって青山二郎とはなんだったか。

桜井さんたちとちがって、私は青山二郎という人に会ったことがない。

私は湯田中へ来るようになった、その前のあたりが、ジーちゃんが志賀高原へ来た最後だったらしい。

それから二年ほどしてジーちゃんは死んでいる。

私はまた、その人の書いたものをひとつも読んでいない。

それでいて、昔からその人に、ある信仰のようなものを持っている。

ひそかに畏れ、憧れている。


★気まぐれ美術館  セザンヌの塗り残し/洲之内徹★

マリ |MAIL






















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