宿題

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2003年11月08日(土) 演技でいいから友達でいて/松尾スズキ
吉田日出子──

今も芝居をしていて、なんか変なものでありたいなって、すごく思うんです。

役を上手く演じるというよりも、なんかギクシャクッとしたものでいたいなって。

スムーズなものよりも違和感があるもののほうが、

お客さんの中にググググッと入っていけるかなと思うから。

そういう風な存在として舞台にいたいっていうのが、願いとしてありますね。

松尾──

珍しいですよね。女優さんで、そういう異物になりたいって考えてらっしゃる方、

あんまりいないんじゃないですか。

吉田日出子──

そうですかねぇ。例えば「上海バンスキング」っていうのは、とても良くできたお芝居ですよね。

でも、ああいう芝居をやっていると「今のは何だったんだろう?」っていうようなことを、

すごくやりたくなるんですよ。

だから、もしも自分が宙返りできたら、全然関係ないときにボーンとやりたかったですね。

みんなが「ああ、まどかさん」とか思って観ているときに、

それを裏切りたいっていう気持ちがすごくあって。

でも、なかなか裏切れなくて、それがすごく悔しいなぁって思ったり。

だいたい舞台に立つと、みんなお客さんに好かれたいって思ったりするじゃないですか。

松尾──

僕はかわいくありたいと思ってますね(笑)。



大竹しのぶ──

私、前に古田(新太)さんと一緒に野田(秀樹)さんの舞台をやったとき、

ギャグを言わなきゃいけないところがあったんだけど、全然受けなかったの。

「なんてきさくなお姫様だ」「きさくは木を切る」……っていうギャグなんですけど、

結局、削られちゃって(苦笑)。

松尾──

それは野田さんが悪い(笑)。

恥ずかしいときは、恥ずかしいようにやればいいんじゃないですかね。

私のせいではありません。脚本に書いてあるんです。あんたのせいだー!って。



串田和美──

1回「武器持たないでばーっと戦場に来ちゃったみたいな出方をする」って言われて。

僕はその後、松尾さんの芝居を見て「ああこの人も武器持たないで出てきちゃってる」

という感じがしたんだよね。

まあ、自分のことはよくわかんないんだけど

串田和美──

昔は半分洒落なのか何なのか、殴り込みとかあったからね。

松尾──

串田さんはそういうの嫌いでしょ?

串田和美──

うん。だって照れくさいじゃない。殴り込みなんて、笑っちゃうよ。



柄本明──

普遍的なことをやってますからね。志村(けん)さんは。

それに、そもそも「新しさ」って何なんだろう?

考えてみれば、それも漠然としたことだからねぇ。

実際僕なんかは「だいじょぶだぁ」を見ていても全然飽きないんですよ。

たぶん、見てるところが違うんでしょうね。

僕の場合は、志村さんの“役者としての何か”を見てるから。

だから、深夜にやってる「笑う犬の生活」とかは、僕はダメなんだよね。

面白いと思えない。松本人志なんかは面白いと思うんだけど。

柄本明──

なんかさぁ、学芸会になればいいと思うのよ。

学芸会ができればねぇ。ああいうのを見ると、すごく感動するんですよ。

やりたいヤツもいれば、やりたくないヤツもいて、でもすごく並列なものを感じる。

まあ、いろんな言い方があるんだけど、上手さとかそういうものが

武器になってないって言うのかな。



河原雅彦──

そういえば、僕、大学3年生ぐらいの時に、「ぴあ」の“はみだしYOUとPIA”

で大人計画さんが新人を募集してる記事を見て、やや惹かれるものがあったんですよね。

あれで応募してたら、僕の人生もだいぶ変わってただろうな。

僕も「キレイ」とか出てたのかな?

オーディションで落ちてたら、芝居やってないかもしれないし。

松尾──

そういう分かれ目はあるよね。

僕も東京乾電池のオーディションを受けそうになったことがあるんだけど、

野生の感が「つぶされる」ってささやくから(笑)、ギリギリのところでやめたんだよね。

松尾──

なんだろうね、宮藤は。どんなセリフでも、自分のセリフにしちゃうんだよ。

上手いとか下手じゃないんだよね。ほんとに素人だっていう時から、

セリフをしゃべらせると、宮藤のセリフになってたんだよなぁ。

例え、手をぶらぶらさせながら言ってても。


★演技でいいから友達でいて/松尾スズキ★

マリ |MAIL






















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