宿題

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2003年10月21日(火) 素敵な歌と舟はゆく/オタール・イオセリアーニ
映画を撮るのは自分と似た人のためだ。

知らない人に手紙を書いたりはしないよね。

自分の映画が、贈り物、会ったことはなくても、

当然、自分と同じ意見を持つ誰かへの贈り物になればいい。

私にとって、幸福とは、誰かが私が思いついたのと同じ発想を口にすることだ。

映画を見て、本を読んで、「嬉しいな、自分と同じ考えだ!」と思うよね。

それは、自分が白痴じゃないということ、それにとりわけ自分が一人きりじゃないことを意味する。

でも、ある贈り物が受取人に届けられるには、残念ながら、

商人たちの手から手へと手渡されなけばならない。そう思うと嫌になる。

私の観察するところ、至るところで、次第に、人々の関係がますます冷たくなり、

「君が私に売ることができるもの、私が君に売ることができるもの」

が決定するようになってきている。

たとえば、パリは五階建て、六階建ての都市だ。

一階はどこも商売人が占拠しているし、その連中はどこかの階に住んでいる。

そうやって、何も作らず、何も生み出さない人々に二つの階を完全に占拠させている。

嘆かわしいよ!


★素敵な歌と舟はゆく◇HPのインタビューから/オタール・イオセリアーニ★

マリ |MAIL






















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