宿題

目次(最近)| 目次(一覧)| past| next|

2003年09月11日(木) サザエさん うちあけ話/長谷川町子
まァ、二年に一回くらいの周期でしんこくな迷いが生じるのです。

思いたつと、直ちに実行にうつす、軽はずみな、性格で、

「あたしマンガやめたッ!!」

紙、ペン、ふで、物さし、ハケ、参考書をズタズタにして、火をつけます。

このケムリがあがるや、インディアンがのろしをみとめたごとく、家中おどってよろこびます。

だれ一人としていさめる者はいないのです。

私が八の字をよせて案を考えているうしろ姿が、いやだと皆で叫ぶのです。

母「やりたい!と思うことをドンドンやってごらん、大さんせいヨ」

「でもサ、あたしがやめたら姉妹社どうなる?」

姉「コセコセすんな!あんなもなァ明日やめたっていいんだ!

ヤタイでも引けば何とかたべていけるよ」


そこで、自由の身となった私は、紙ネンドを買ってきて、くる日もくる日も

人形やどうぶつをつくります。

「上手ねー!マンガよりいいよ」

「ほんと!」

ししゅうをします。

「くろうとハダシだわ」

ぬいぐるみの動物をつくります。

「なにをやらせてもこのこはうまいヨ!」

バカじゃないかしら、うちの家族!!

◇

「いじわるじいさん」という外国マンガが、文春のマンガ読本に、レンサイされていました。

主人公はおバアさんのほうが、グッと迫力あるのになぁと、思いながら見ていました。


サザエさんとて、コドモさんに無害のホームマンガ。

読まれる方は、無害でもかくほうは、取材はんいが、かぎられているから、四苦八苦です。

ザッシ、エホンもふくめると七千回以上かいたのですから。

ヒューマニズムに、あきていたところに、サンデー毎日しんねん号8ページをたのまれ、

「いじわるばあさん」をかきました。

◇

妹の主人が読売しんぶん社の記者なので、ぎりの姉のヘンクツぶりにおどろいて、

「おねえさん、もっとどんどん知しき人や文化人とつき合いなさい。必ず得るところがありますヨ」。

たとえ得るところがなくとも、私は犬とねころんでいるほうをえらぶナマケモノ。


★サザエさん うちあけ話/長谷川町子★

マリ |MAIL






















My追加