宿題

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2002年09月18日(水) ノラや/内田百間
朝書斎で葉書を取りに行き、速達用の切手を出し赤い線を引くため

赤鉛筆を抽斗から出そうとしかけたら、窓の障子で音がした。

ノラがいつも外から帰って来た時の気配なので、出し掛けた物を投げ出して

急いで開けてみると、例のノラに似た猫がいて、人の顔を見てノラのする通りにニャアニャアと云う。

堪らなくなって暫く泣き続けた。

本当にノラだったら、どんなにうれしいだろう。

この一瞬から万事が立ち直るのに、と思った。


ノラの事を何かのはずみで、或は何でもないのについ思い出す。

成る可く触れない様にしているけれど、思い出す。

思い出せば堪らない。


★ノラや/内田百間★

マリ |MAIL






















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