宿題

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2002年01月24日(木) 東京日和/荒木陽子+荒木経惟
夫はこんな私を慰める為に、いつも大ぶりなイキイキした花束を抱えてやってきた。

一抱えもあるような背の高いヒマワリは見事だった。

夫の去った跡、鮮やかな黄色の炎のようなヒマワリを見ていると、

確かにそこには夫の姿やぬくもりや匂いが感じられ、私はいつまでも見つめ続けていた。

人の思いというのは存在する、本当に存在して、疲れた者の体と心をいやしてくれるんだ、と

私はこの時いやというほど感じ入った。

涙がボロボロ流れ出してなかなか止まらなかった。


また明日も来てあげるから、と言いながら彼は私の右手をギュッと握りしめる。

それは握手というより、夫の生命力を伝えてもらっているような感じで、

私はいつも胸がいっぱいになった。

彼の手は大きくて暖かく、治療の疲れて無気力に傾きそうになる私の心を揺さぶってくれた。

その時の私にとって、彼の手の暖かさこそが生の拠りどころだったのではないか、

と今しみじみ憶い出す。


★東京日和/荒木陽子+荒木経惟★

マリ |MAIL






















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