宿題

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2002年01月03日(木) ひまわり/川本真琴
ばっさり短くなって ちょっと軽くなった十五以来の前髪

じっと目つむってすっと感じた風 網戸をくぐる蝉の声

バス停に一本だけ咲くひまわりは 今一番大きな種つけて

光をいっぱい受けとめたくて 背高のっぽになっていくの

手をつないで お互い 帰り道ちがう「いつも」探してた

きっと急いで来たからなにか忘れてたの 何度も何度も指切りしたまま

ひまわり あの夏に生まれたんだよ

浴衣とスニーカーで一緒に隠れた

スイカの種をとばしたっけ お祭りに行こう

ねえ いつも太陽のほうに伸びていくのがくすぐったそうだった

まつげの先に夕焼け小焼け 首をかしげて真似してた

君が揺れていた

お互いにとって とってもちっちゃいことなのに

いっつもたくさんケンカした運命はきっと

何かのわけがあってわかんなくて良かったんだな

手をつないで あの自動改札いっしょにジャンプしてとぼう

何処にいくとこもないけど 眩しい空を越えたい

いっぱい いっぱい息をしたまま 

ふたり あの夏に生まれたんだよ

約束しなくても毎日会えた ヨーヨーいっぱい持って待ってたよ

ひまわりみたいに

ねえ あたし最終のバスが通り過ぎても見つけられなかった

半分こにした宿題だけが机の上にすっぽかされてひろげてあるよ

手をつないで次に何をするの?

未来はいつも難しい

どうして走りつづけたらなにか忘れてくの 何度も何度も指切りしたまま

ひまわり あの夏に生まれたんだよ

季節がめぐるたびあの場所で咲く 

ぼんやり君を思い出すよ 繰り返してる

ねえ いつも太陽のほうに伸びていくのがくすぐったそうだった

はぐれない影に夕波小波 首をかしげて真似してた 

君が揺れていた 君と揺れていた


★ひまわり/川本真琴★

マリ |MAIL






















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