○プラシーヴォ○
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私今日、早番だから ご飯でも食べよう
そう誘うとハム男はあっさりと 承諾した
20時に、私の家の前にハム男が 迎えに来てくれる
「さて、どこ行こうか がちゃ子の家のそばって 何があったかなあ」
ああ
私の家のそばで食べるんだ
このまま
ハム男の家に連れてってはくれないんだ
すっかりお泊りセットを入れた鞄
恥ずかしい
絶対に見つからないようにしよう
車を走らせてすぐ、 ハム男がまた口を開いた
「がちゃ子、明日は何時から仕事?」
なるべくさりげなく響くように 最大限気をつかって私は答えた
「ん?14時からだよ。 遅番なんだ」
あ、じゃあ 俺の家に来る?
泊まっていく?
うん
よかった、肩の力が抜ける
でも私は心のそこでは ハム男を許していなくて
決して自分からハム男に触れようとしなかった
車に乗ると、 いつもすぐさま ハム男の膝の上に手を滑らせるのだけれど
今日は、両手で自分の膝の上のハンカチを 握りしめたままだった
ハム男の家につき テレビでやっていた映画を見る
ハム男の肩を少し齧る
「痛いよ」
少し笑って
けれどこちらを見もせずに ハム男は言った
元元元彼なら
すぐに抱きしめてくれるはずなのに
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