○プラシーヴォ○
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朝目を覚ますと
母のメモがテーブルの上に
私と母が共通で好きなあの人の情報だった
手早く身支度をして
電車に揺られる
いた
道路に面した壁が全てガラス張りになっている
ギャラリーにあの人はいた
興味の無いフリをして
とおりすぎる
またとおりすぎる
あまりそこにじっとしてるのもおかしいので
電話をかけるフリをする
お百度参りですか?
というくらい往復したとき
ギャラリーにおばちゃん達が
どっと入っていった
私も勇気をふりしぼり、
流れに乗る
比較的被写体が大きく写された写真が十数点
ぐるりと見回り、
彼の元へ
エッセイを購入し、サインを書いてもらう
「写真、いいですか?」
彼の横にいた、
彼よりもかわいらしい顔をした
スタッフさんがニコッと笑う
「はいはい、撮りますよ 任せてください!」
2枚、縦と横の構図で撮ってくれた
胸がはちきれそうになる
最後にそっと手を出してくれた
私もそっと握り返す
ドアも開けてくれた
嬉しくてたまらなくなって
駅まで全力疾走で帰った
明日、天気予報を見るのが楽しみ
今日会った顔を確認しよう
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