○プラシーヴォ○
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古本屋で買った『GTO』16巻500円を 読みふけるハム男
うがうが〜と噛んだり引っ張ったりして 邪魔をする私
んもう、という顔で笑い、 チュチュ、と私にすばやくキスをして また本へ視線を戻す
邪魔するのに疲れて 私もテレビを見たり お茶を飲んだり またハム男の横に寝そべったり
ハム男は本を読みながら 足や、肘や、体の一部を 必ず私に触れるようにしている
「ん〜」
という声に振り向くと ハム男がひょっとこのような顔をして キッスを求めている
にじりよってキスをすると 嬉しそうにまた本を読み出す
これが幸せってやつですかい?
今日は本当に 数え切れなくらいキスをした
この幸せの根本には 「寂しさ」 がしきつめられている
月曜日から私はプー太郎を卒業して 働き出す
少し遠い勤務地だから ハム男の家からは通えない
必然的に日曜日の夜には 家に帰らなくてはいけなくなる
会う時間が少なくなる
日曜日の夜を過ごせるのが きっと今日が最後だから
寂しくて寂しくて
キスを繰り返す私たち
平均すると 一ヶ月に10日会えれば万々歳、の私達
2年が過ぎても まだ付き合って三ヶ月目くらいの気がする
ハム男をあまり知らない ハム男もきっと私をあまり知らない
何年付き合ったら 私達はうんざりしだすんだろうね
会えなくて寂しい、は 会えて嬉しい、と一緒だね
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