○プラシーヴォ○
目次|←どうして?|それから?→
「本日は本当にありがとうございました〜」
最後の俳優が舞台からはけて 客電がついた
私は慌てて立ち上がり、コートを着る
が、他の誰1人立ち上がる人はいなかった
…鳴りやまない手拍子 2度目のカーテンコールを要求しているのだ
そんなにいい舞台では無かったし カーテンコールを何度も要求するのは 粋じゃない気がして、つい舌打ちをしてしまう
隣に座っていた友達に
「ごめん、先に出るね」
と謝り、
再び出てきた俳優達を尻目に まだ無人のロビーを横切る
劇場を出ると 携帯をかけようとしているハム男を発見
「…遅いよ! 俺、パチンコで四千円も負けちゃったよ」
20時30分ころには芝居が終わると ハム男に言っていたのだが
思いのほか長引いて、結局21時30分に私が飛び出てきたのだ
久しぶりのハム男
手を繋ぐのも変な感じ
少しの時間しか逢えないから お互いがお互いの気持ちを引っ張り合おうとして とても心地いい
劇場のそばでお好み焼きを食べて 滑り込みセーフで閉店間際のビデオ屋へ
キスをして ビデオを見て
久しぶりに体を重ねる
眠りに落ちる間際に
「がちゃ子、明日遊びに行くんやろ?」
「うん、ハム男はゆっくり寝とかなあかんで 疲れてんねんから」
「…また、ここに帰ってきてな」
…!
嬉しすぎて ブルブルっと体が震えた
この人が大事です とてもとても大事です
|