○プラシーヴォ○
目次|←どうして?|それから?→
どうしてあんなに感覚がなかったんだろう。
悲しいとも 苦しいとも 怖いとも 違う。
ただただあなたを早く帰そうとあせっていた。
あなたが意識を持つ前に あなたに神経細胞が宿る前に あなたがただの細胞の塊であるうちに
なんてことを考えていたのよ
そう思っていたんだけど
違うね
あなたはもう完全に私の子供だったんだよね 可愛い可愛い天使だったんだ せっかく、何十億もいる女性のなかから 私のお腹を見つけてくれたのに
ごめんね ママはまだ準備ができてなかった
痛かったのは、手術前の筋肉注射だけだったよ ありがとう
ママはね もう決めたの
今度はどうしたって あなたの手は離せない
もう1年たったんだね いなくなったあなたを愛するってどういうことかが わかってきたよ。
|