あつ子の日記
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| 2004年05月19日(水) |
鳥肌のカーテンコール!! |
偉大な人の生命力は、想像を遥かに超えた強さと深さで、私たちを魅了します。 そしてそれもまた偉大なのです。
2年前、脳梗塞で突然演奏中に倒れ、右半身が不自由になってしまった ピアニストがいます。 誰もが、もうピアニストとしては・・・と思っていました。 1年前にお逢いした時、本人とは思えないほど全ての動作がゆっくりで、 お話するのも不自由なぐらいでした。 「リハビリを重ねて、少しづつ左手が動くようになってきたから、 ピアノを弾いてるよ」 とお話された時も、それでもやっぱり・・・と内心私は思っておりました。
日本を代表する国際的ピアニスト。世界各地で3000回以上もの コンサートを重ね、リリースされてるCD・LPは100枚近く。 フィンランドのヘルシンキに在住しており、 毎年演奏会シーズンは、世界各地で演奏、夏の期間だけフィンランドの別荘で 過ごす。ピアニストとしての生活、ピアニストとしての人生を送っていた彼の生活は、2年前のリサイタルの途中で、一瞬にして別世界へと入ってしまったわけです。
舘野 泉
舘野先生との出会いは、10年前、私の地元原町市での演奏会。 演奏会の主催者は、私のピアノの恩師の旦那様で、 音大生だった私に、「素晴らしいピアニストが来るから、 一日中側にいて、勉強しなさい!!」 と言われ、わざわざ学校を休んで東京から原町へ帰り、 舘野先生の側で緊張しながらうろちょろしてました。 小さい頃から泣き虫だった私ですが、その日は、リハーサルからショックを受け、 やっぱり一日中泣いていた記憶があります。 あれはショパンの曲だったと思います。今まで聴いた事のないくらい 深く温かい音でした。どーやったらそんな音がだせるのか。 どーやったらそんなに優しく歌えるのか。 テクニックばかりに感心のあった私の頭に、大きな岩石が落ちてきたような 打撃でした。
あれから10年。私は歌に転向し、しかもクラシックからかけ離れた生活を 送っておりますが、先生が東京で演奏する時は、必ずと言っていいぐらい 聴きに行ってますし、年に1.2回は、一緒にお酒を飲んでます。 先生が私に芋焼酎を教えた犯人ですし・・・ そして夕べも!!!
昨日は四ツ谷にある、紀尾井ホールで舘野先生のリサイタルでした。 私にとっては、復活されて初めてのリサイタル。
「右手がなくてもピアノは弾ける!!」
夕べのプログラムは、全て左手のためのピアノ曲でした。 バッハ・スクリャービン・間宮芳生・ノルドグレン・ブリッジ 左手で高音域、その体制を持続させるために、左足でペダル。 きらきらした美しい音色も、優しさも、温かさも、 今までと全く劣らない、素晴らしい演奏でした!!! 左手だけの演奏とは思えない先生の演奏に、 そして、満席のたくさんのファンの方々の熱い思いと先生の苦しみを乗り越えた 色んな思いが混ざり合った、カーテンコールにまた私は泣いてしまいました。
演奏会後に芋焼酎を飲みながら、 「いやぁ〜〜今まで左手をちゃんと使っていなかったってことが よく分かったよ!!」 と満面の笑みで言ってました。ってことに、私はまたもや泣きそうでした!!!
「偉大」なんて言葉は軽々しく使いたくないけれど、 その言葉しか浮かばないんです。 そして、彼の生命力にかなうものは無いんじゃないかぐらいの その強さに圧倒されるばかりです。
もしも私の耳が突然不自由になったら・・・ それでも私はシンガーでいられのか。。。
「偉大」という場所は、天竺よりも遥か彼方で・・・ そして私は・・・・・頑張ります。。。
にしても、先生!!!ちょいと飲みすぎなんじゃないですか??? 「あっちゃん次なんにする??」って急かさないでくださいな!!!
舘野先生のプロフィール等はこちら!!! http://www.japanarts.co.jp/html/JA_artists/index.html
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