短編小説部屋...まどう ゆう

 

 

ハッピーバースデー (カカイル/イル誕) - 2007年05月26日(土)

イルカの目の前には立派なワンホールのケーキが置かれていた。

ハッピーバースデーと書かれたそのケーキは綺麗な碧色の波をジャンプして
いるイルカのモチーフが描かれている。

「イルカ先生、誕生日おめでとうございます!」

カカシににっこり笑顔でそう言われてイルカは今日が自分の誕生日だったと
思い出す事が出来た。


1ヶ月程前に今日が非番だと知ったカカシにその日の夕方は予定を入れない
でくれますか?と言われた時はどうして日にちを指定して約束するのだろう
と疑問に思っていたのだが、今日やっと意味が分かった。

同僚に今日、飲みに行かないか?と誘われた時に予定が入っているからと
断ったら『イルカにもやっと春が来たんだな!』と喜ばれた事があった。

その時は良く分からなかったのだが、同僚は誕生日に一緒に過ごす=恋人が
出来たと思ったのだろう。

それって凄い勘違いだよとイルカは顔を真っ赤に染め上げた。

確かにイルカはカカシに憧れている。

自分のカカシへの思いが恋愛感情だともう気付いてはいたが、告白にはまだ
至っていなかった。

カカシはナルトが部下になった事で知り合って、今では一緒に飲みに行った
りとかなり親しい間柄にはなれていたが別に付き合っている訳ではないの
だ。


「…イルカ先生、どうしましたか?」

気に入りませんでした?とカカシはケーキを目の前にして顔を真っ赤にして
いるイルカを覗き込んで恐る恐ると問いかけてきた。

「す、すいません!あまりにもびっくりしちゃいまして…」

今日が誕生日だなんてすっかり忘れていたんですとイルカは慌ててカカシに
そう答える。

「凄い嬉しいです、このイルカとても可愛いですね」

「そうでしょ、オレが作ったんですよ」

まるで子供の様に満足そうなカカシにイルカは更に驚いた。

「このケーキ、カカシ先生が作ったんですか?」

「はい、一回パティシエに作って貰ったのをコピーして覚えたんです」

額当てに隠された右目を指差して得意そうにカカシは言った。

ケーキを作る為に写輪眼でコピーしたのかとイルカはちょっと脱力しそうに
なったが、それが自分の為だったと思うと嬉しさの方が勝った。

「ありがとうございます、カカシ先生」

「いえ、喜んで貰って良かったです」

カカシはとても嬉しそうにふわりと微笑んだ。

イルカのケーキはその後に合流して来たナルトたちと一緒に食べた。

それはとても甘くて美味しくって、その日はとても楽しい一日になった。


...



 

 

 

 

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