singersong professor KMの日記

2012年10月16日(火) 資格取得に思う

 今日のFBでキャリア教育への疑問を紹介した。大学4年間で社会常識を身につけることが大切だという文章を紹介した。その延長線上で気になっていることがある。「資格」だ。大学では、エクステンションセンターなどで資格取得をサポートしている。確かに、司法試験や公認会計士試験、税理士試験など難関試験で資格を取ることは、それは意味のあることだ。

 けれども、そこから派生して、何でも資格さえ取れれば就職が有利になると勘違いしている学生がいる。宅建など3ヶ月も勉強すれば取れる資格が、大学4年間での学習より評価されるはずがない。企業は大学4年間で何を身に付けてきたのかを問う。そこをおろそかにして、宅建だなんだという派生的な資格を取って、自己満足している学生を、企業は採用したくないだろう。

 資格を取って悪いとはいわない。それで大学の学習をおろそかにするようでは、評価できない、というだけである。振り返ってみれば、私自身資格の勉強はした。税理士試験を受けたけれども、それで大学の勉強を後回しにした覚えはない。資格の勉強をしているからといってゼミをおろそかにしたわけではない。否むしろ、ゼミ活動では主導的な役割を果たしたつもりだ。

 資格試験を逃げ口上にして欲しくない。だから、私のゼミでは公認会計士試験を受けるからといって、特別に優遇などしない。もちろん、いろいろあるので柔軟には対応している。しかも、試験合格後監査法人などに就職するときにも、ゼミでの活動が評価される。どうも、近視眼的に目の前のことにかまけて、他をおろそかにする学生がいる。それでは、結局本当の将来は約束されない。

 キャリア教育とか安易な資格試験とか、付け焼き刃で身に付けたものは、すぐにはげ落ちる。世の中そんなに甘くない。


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singersong professor KM