singersong professor KMの日記

2011年05月07日(土) 生肉食中毒事件、そして経営の王道とは?

 生肉食中毒問題。死者4人とは驚きだ。その「焼肉酒家えびす」では、焼き肉を1皿100円で提供し、例の「ユッケ」も300円を切る値段で提供していたという。それはまた、下記テレビでも紹介され,賞賛されていたようだ。

「人生が変わる深イイ話」
http://www.youtube.com/watch?v=jYqX3b4VMbY&feature=related

 この番組で,安くて高級感があってサービスがよいと紹介されていた。でもそこで、島田紳助がいみじくも口を滑らしたように「やすもんの肉」であったことは間違いない。安全のコストを極限にまで切り詰めた、そういうコスト削減の果てに起こった事件だろう。

 この事件も典型的な利益至上主義、経済至上主義の欠陥を表している。ここで得られたのは「短期的」利益であって,長期的には利益ではない。その証拠にこの会社が破綻することは間違いない。この会社では支払いきれない損害賠償責任を負うであろうと思われる。

 どこかで聞いた話だと思って考え直してみると、これは東京電力がそうであることに気づく。ここでも、安全に対するコストを切り詰めて,結果的に,会社破綻の瀬戸際に追い込まれている。

 近視眼的に利益至上主義に陥ると、その利益が短期的利益であって,長期的利益でないことを忘れる。ここに「所有と支配の分離」が入り込むと,さらにやっかいになる。アメリカのように短期的利益でしっかりもうけて、経営者はストップ・オプションでしっかり報酬を得て、後は野となれ山となれ、「エンロン」しかり「リーマン・ブラザース」しかりだ。

 利益は目的ではない。利益は結果だと心得るべきだ。ドラッカーもそういっているし、石田梅岩もそういっている。顧客の満足を得てこそ,結果として利益が残る。根本のところは、本来、洋の東西を問わないはずだ。これが経営の王道のはずだ。


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