後期試験の採点の真っ最中だ。いつも書くのだが,採点という後ろ向きの,いわば後始末とでも言うべき仕事はあまり楽しくない。また,自分に対する勤務評定でもある。すばらしい答案に出会うと,心が晴れる。
若い頃,夜間(今はない2部)の講義を担当していた頃,社会人学生のすばらしい答案に巡り会ったときは,驚きもし,うれしくもあった。よくぞこんなつたない講義を聴いて,こんなすばらしい答案を書いて頂きました,そういう感じであった。講義では横道にそれたりするし,一通り話さなければならないので,必ずしも一貫して話すことが困難だ。ところが,その答案は,私が言いたかったことを手際よくまとめてくれていた。「感動」の答案だった。だが,そういう答案にお目にかかることはそう多くない。今回の場合も,もちろん良い答案もある。その答案が,ゼミ生のものであったりすると,やはりうれしい。今回もそんな答案があった。100点満点だ。
採点していて,あれっと思うことがある。急にトーンが変わり,答案の質が落ちる。それは違う学科ないしコースの答案に順番がうつったときだ。今年もそうだ。私の科目「資金調達論」は「ファイナンス・情報・インスティテュート」の重要な科目だと認識している。また経営学部の科目としても重要な科目だと思っている。けれどもやはりインス学生の答案は一枚も二枚も上手だ。急にトーンが変わった,レベルが落ちたと思ったら,インス学生の答案が終わったからだった。当然といえば当然だが,これほどの違いを経験したのは,今年が初めてだ。
採点は,そういう悲喜こもごもを感じながら行うものなのである。
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