下記ニュースを読んで,思い出しました。1980年代末,日本のバブルが燃えさかっていたとき,その末期に起こったことを思い出しました。ワラント債が盛んに発行され,資金コストが安いというので,企業に重宝されたことを思い出します。しかしそれは,とんでもない間違いで,その後株価が暴落しました。ワラントが行使されたら株式に転換され,資金負担もなくなると,企業は期待していたのですが,株価暴落で株式転換が進まず,償還のための資金が必要になりました。今回の「低コストで資金を調達できる」というコメントは過去の経験に照らしてみれば,誤りでしょう。
大型株の増資などが行われたら,相場も末期だという教訓があるように,こういったワラント債のような証券が大量発行されるときも相場的には末期的であることが多いものです。バブル最末期の1989年後半から1990年初頭にかけて,鉄鋼各社のワラント債が発行されたのを思い出します。来年の世界経済が思いやられます。
------------------ 中国で社債発行相次ぐ、上海汽車や宝山鋼鉄、引き締めに備え手元資金厚く。2007/12/25, 日本経済新聞 朝刊, 9ページ 【上海=張勇祥】融資の総量規制が行われている中国で社債の発行が相次いでいる。乗用車大手の上海汽車がこのほど六十三億元(約九百八十億円)のワラント債を募集。宝山鋼鉄も最大で百億元のワラント債を発行する見通し。来年以降の金融引き締めに備えるほか、株式市場が本格的な調整を迎える前にできるだけ多くの資金を手当てするのが狙い。 上海汽車は債券発行によって調達した資金を自主ブランド車の生産や国内外でのM&A(合併・買収)に充てるとしている。宝山鋼鉄は調達資金で親会社傘下の新製鉄所を百四十三億元で買収する。手元資金を厚くする目的も大きいとみられる。 鉄鋼大手の唐山鋼鉄は既に三十億元分の転換社債(CB)を発行。農業大手の黒竜江北大荒農業も十五億元のCBを募集した。ワラント債やCBは利率が年一―二%と七%台の融資金利や普通社債より低く、低コストで資金を調達できる。
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