今日「松村通信」第67号をアップした。ここの所,立て続けにアップすることになった。呉智英「現代人の論語」(文春文庫)を読んだのがきっかけだが,通信にも書いたがMBAの指導も念頭にあったので読んだ次第。そして思いついたことを文章にとりあえず定着させておこうと思ったのが,書くきっかけだった。書いておかないと忘れてしまいそうで,メモ代わりに書いた。それだけに生硬さが目立つが,ま,やむを得ない。また別の機会に敷衍すればよいと思う。通信で紹介したところ以外にも,この本にはいろいろ書いてあった。
「文化はしばしば無駄に見える。しかし,文化なくして人間は存在しえない。」(144頁)などというのも気に入った。戦後の日本が失った(と言っては言い過ぎだが)ものの一つに文化,日本文化がある。もちろん日本人はいろんな文化を取り込んで新たな日本文化を構築してきたのだから,全く失ったわけではなく,今が新たな日本文化の産みの苦しみの時期だと考えられればよいのだが,そうとも言えないところに問題がありそうだ。昨年12月27日の日記で書いたように,日本は半独立国の状態を甘んじて続けているのだから,問題は大ありだ。
同書でわが立命館大学の誇る白川静先生の言葉が引用されている。「思想の成立には,何らかの意味での,宗教的な体験を必要とする」。白川先生の言葉をこのように引用した後,「現世的な秩序を批判的に見ることが思想成立の契機であるとするならば,とりわけ古代においては巫祝階層が思想を生む土壌となったはずだ。」(228頁)と続く。刹那的,現世的,非宗教的な現代は思想を生みにくい。
いずれにしても,この「現代人の論語」はいろんなことを考えさせてくれた。この正月のつれづれに読んだのだけれども,意義深かった。
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