singersong professor KMの日記

2006年12月27日(水) 日本テレビとCIA

 昨日,有馬哲夫「日本テレビとCIA」(新潮社)を読んだ。アメリカ・ワシントンDCにある「国立第二公文書館」にある「CIA文書正力松太郎ファイル」から,日本テレビが米CIAの戦略に沿ってつくられたものだということがわかった,そいういう本である。

 つくづく,日本は敗戦国であり,未だに実質的な占領下にあると言わざるを得ないことを実感させられた。日本は戦後占領下から1952年のサンフランシスコ講和条約で「独立」することになるのだが,アメリカは「戦略上重要な日本を自らの直接的支配から解き放つことは,大変な問題だった」ので「アメリカ軍を駐留させることで,軍事的占領は継続」できた。だが「心理的,政治的支配の継続は大きな課題だった。」(276頁)その課題遂行の一つとして,日本テレビがつくられた。正力松太郎氏が意識していたか意識していなかったかはともかく,事実としてアメリカの対日心理戦略の一つとして日本テレビ開局が位置づけられていた。そういうことが丹念な資料から裏付けられた本であった。

 著者はこのように言う。「アメリカは占領を集結させながらも,アメリカ軍を駐留させることで,日本を軍事的に再占領した。そして,日本テレビを含めあらゆるメディアをコントロールして心理戦を遂行する体制を築くことによって,日本を心理的に再占領した。そして,最後の仕上げが保守合同による安定的な親米保守政権基盤の確立という政治戦による再占領だった。」(300頁)

 最近テレビでもよく出てくる寺島実郎氏も外国軍隊の駐留を許している国を独立国といえるのかと言っている。また,かつての自民党の実力者後藤田正晴氏(元副総理)も日本は「半独立国」だと嘆いていたことを思い出す。


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