singersong professor KMの日記

2006年07月16日(日) 売られ続ける日本,買い漁るアメリカ

 関岡英之「拒否できない日本」(文春新書),関岡英之・吉川元忠「国富消尽」(PHP研究所)と読んできて,以前から読もうと思っていた,本山美彦「売られ続ける日本,買い漁るアメリカ」(ビジネス社)を読んだ。少し問題を単純化しすぎているという感はあるが,間違っているとは思えない。

 内容はどれもほぼ同じだと言える。その意味では一連の書物の中では最初2004年に書かれた,「拒否できない日本」が一番すばらしい書物だと言って間違いない。私自身2002年に「「会計ビッグバン」,時価会計,そして日本企業の対応」(大阪経大論集,2002年9月)を書く以前から,同旨の問題意識は持っていたし,上記拙稿はそれをまとめたものである。

 周知のビッグバンが打ち出されたのが1996年,そして,1997年11月に北海道拓殖銀行,山一証券と次々に金融機関が破綻し,金融恐慌の様相を呈したのが1997年から1998年にかけてであった。私がそういう事態の進行に気づいたのは,うかつにも1997年の金融機関破綻の後であった。そう言う危機意識も手伝って,「松村通信」を書き始めたわけだ。「松村通信」第1号は,1998年1月18日となっている。そのタイトルは「日本は第2の敗戦か」というものであった。もちろん最初はプリミティブな問題意識であったと思う。それにしても,その後問題は少しも解決していない。解決していないどころか,ますます深刻になってきているとすら言える。

 郵政民営化に伴って簡保資金の行方が気になるところだ。国民の財産が浪費体質のアメリカ救済に消尽されるのだけは許せないと思う。でもこのまま行けば,ずるずると消尽されていきそうだ。高齢化社会を迎える日本国民が,危機感を煽られて節約をして金を貯め,それをアメリカの赤字埋め合わせに使われるのは耐えられない。もっと豊かで落ち着いた高齢化社会が築かれるべきだと思う。高齢化がいかにもグルーミーな社会の到来だと言わんばかりに,危機感をあおり立てるマスコミ論調にも耐えられない。

 高齢者も結構元気なのだから,ゆったりとした気持ちで働いてもらえばよい。もちろん若い人の仕事を奪ってはいけないが,たとえば,ボランティア的な気持ちで働いてもらえばよい。また,そういう場所,機会をもっと提供すべきであると思う。それこそ官の仕事ではないかと思う。


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