singersong professor KMの日記

2003年03月18日(火) ホントに悲しくなるが

 フルフォード「日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日」光文社,2002年,を薦められて読んだ。ホントに悲しくなるばかりだが,現在の日本のていたらくを見ていると,ここまで言われてもしようがないと思う。

 「ヤクザと建設業界,金融機関,官僚,政治家の癒着は,バブル時代に強化された。それは,土地が値上がりし,株価も値上がりするという右肩上がりのなかで,誰も彼もが金儲けに走ったからだ。」(82ページ)

 「やはり日本は,もう独自の経済改革の道を歩むしか,残された選択肢はないだろう。アメリカ依存,アメリカ追随が,イヤイヤだろうとなんとかなってきた歴史はハッキリと終わりを告げたのだ。この認識から国家全体を再構築するしかないだろう。」(157ページ)

 「現在の日本人が不幸なのは,国民の利益nation's benefitと政治家(とくに自民党)の利益が一致しないことだ。官やゾンビ企業群とつながっている政治家は,いわば日本国民に寄生する寄生虫parasiteである。」(217ページ)

 「いまのままでは,日本はやはり「最後の社会主義国家」だ。別の言葉で言えば,「負けた人間の天国losers' pradise」である。そして,このパラダイスは寄生虫がすべてを食べつくしたときに,消えてなくなってしまうのである。」(218ページ)

 返す言葉がない。

 この本はホントに刺激的な言葉で満ちあふれている。ちょっと違うな,と思うところもないわけではないが,そういわれても仕方ないとも思う。今の日本が大変深刻な状況にあることは間違いない。そして,政府は無策である。戦略がない。この本は667円+税,という格安である。一読を薦めたい。


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