Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2009年01月29日(木) 公園は 「 ホームレス の 寝場所 」 ではない



「 人生の 10% は、私に何が起こるかであり、90% は、それに対して

  いかに反応するかだ 」

               ルー・ホルツ ( アメリカのフットボール・コーチ )

Life is 10 percent what happens to me and 90 percent how I react to it.

                                    Lou Holtz



2005年 8月、アメリカ南東部を大型ハリケーン 「 カトリーナ 」 が襲った。

死者、行方不明者を合わせ、2500名以上の人的被害を記録した。


被災直後、取材の ヘリ に映し出された光景は、低所得者による食料品店などからの略奪や、レイプ、救援車両、医薬品輸送車への襲撃だった。

ニューオリンズ市内は無法地帯と化し、州兵が現地に派遣され治安維持に当たり、被災者に銃を向けるという “ 痛ましい事態 ” も確認されている。

日本でも、台風や地震などの自然災害で家屋が倒壊したり、大切な財産、さらには生命を失う例も珍しくないが、社会秩序は、それなりに保たれる。

阪神大震災の折も、人々は互いに助け合い、たとえ極限状態の中にあろうと、つとめて理性をコントロールしながら、健気に隣人を気遣った。

なぜ、日本人は冷静さを保ち、アメリカ人は理性を欠いたのか、その要因は、それぞれの 「 蓄え 」 の違いが、大きく影響していると分析家は語る。


アメリカの低所得者層は、労働報酬を 「 週給 」 で受け取る人が多いため、総体的に日本人よりも、貯蓄額は低いという実態がある。

もちろん、人によっては、毎週の収入の中から コツコツ と貯金をする人もいるが、その週のうちに使い果たす タイプ も少なくない。

月給制ならば、次の収入まで計画的に家計をやりくりするが、週払いなら、お金が無くなるまで散財しても、一週間だけ我慢すればなんとかなる。

家賃や光熱費の支払いが残っていても、「 来週分で払えばいいか 」 という意識があるので、それほど危機感を持たずに、楽天的に暮らしている。

それで、特に平常時は問題ないが、予期せぬ大災害が発生したり、事故や病気に見舞われると、たちまち窮地に陥る タイプ が多いのである。


不況の影響から、3月までに、製造業で働く派遣・請負労働者 約 40万人 が、職を失うとの見通しであることが、業界団体の試算で判明した。

年末年始にも、テレビで 「 派遣村 」 の人々や、「 ネットカフェ難民 」 らが紹介され、非正規雇用労働者の悲惨な実情が報じられている。

その中でも、私が気になったのは、前の月に職場を解雇されたという人が、テレビの取材に 「 財布には数円の小銭しかない 」 と語っていた場面だ。

働く気があっても、不景気なので職に就けないという事情には同情するが、先月まで働いていたという人が、なぜ、「 小銭しかない 」 のだろうか。

収入が途絶えた途端、わずか一ヶ月をしのぐ蓄えも無いのなら、リストラ の憂き目に遭わなくても、怪我や病気をしただけで、生活が成り立たない。


すべて非正規雇用者が貧乏なわけでなく、私の知人の女性などは、30歳までに結婚資金を、40歳までにマンションの購入資金を貯めている。

正社員か、非正規雇用か、その 「 働き方 」 ばかりに焦点を当てられがちだが、問題は 「 働き方 」 よりも、各人の 「 生き方 」 にあるのではないか。

社会人になって間もない人は別として、ある程度の年齢になれば、環境の変化に対応し、せめて 1〜2ヶ月 はしのげる 「 ゆとり 」 が必要だろう。

倹約して、お金を貯めるばかりではつまらないが、分相応な、収入に見合う生活をしていれば、短期間 「 他人に迷惑をかけない 」 蓄えはできる。

例外的に、ギリギリ の生活で 「 1円 の余裕さえ無い人 」 もいるだろうが、大部分は、収入と支出の バランス に、不調和な部分があるはずだ。


貧乏であること自体 「 悪 」 ではないが、家賃も払えず、公園で寝泊りするようでは、納税の義務も果たせないし、「 善良な市民 」 とは言い難い。

もちろん、自殺するよりは 100万倍 マシ だが、かといって、「 生きるためには仕方が無い 」 と開き直るのは、いささか考え方が間違っている。

公園に無宿者が寝泊りすることで、子供が遊び場を失ったり、地域の治安や環境が悪化することは避けられず、ある意味、社会悪となっている。

支援者などは、「 子供の遊び場より、彼らの生命が重要だ 」 と言うだろうが、本来、公園は 「 子供の遊び場 」 であって、彼らの寝場所ではない。

それに、そんなに重要な生命ならば、なぜ、自分自身がもっと大切に考え、有意義な暮らしを実現する 「 努力 」 を怠ったのか、見直すべきだろう。






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