Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2006年12月18日(月) 教育基本法改正に反対する意図がわからない



「 先生 : 無知と無関心の違いは?

  生徒 : 知らないし、興味もありません 」

                                   英語のジョーク

Teacher : What's the difference between ignorance and indifference?
Student : I don't know and I don't care.

                                   English joke



生徒と先生の台詞を入れ替えても、さほど違和感はない。

無知と、無関心こそが、戦後自由教育の 「 悪しき集大成 」 である。


先週、教育基本法が59年ぶりに改正されたが、「 愛国心 」 の表現などを巡って野党は反対姿勢をみせ、最後は強行採決のような形となった。

街頭では、日教組の先生方が拡声器を手に反対を叫ぶ姿も目にしたけれど、いま、なぜ、改正の必要が生じてきたのか、その説明はない。

教育現場に国家が干渉するなと言うけれど、現場に任せ続けてきた結果として 「 尋常ではない状態 」 に陥ったからこそ、この問題が浮上している。

いじめ問題、履修不足、学力低下、その他諸々の放置すべきでない深刻な実状を抱え、もはや現場任せでは、どうにもならない非常事態である。

ここに至っても 「 改正の必要なし 」 と唱える人たちにとって、日本の将来をどのような方向へ導いていきたいのか、まるで理解に苦しむばかりだ。


日本国憲法も同じだが、いまから約60年前に制定された法案の大半は、「 第二次世界大戦の終結 」 という事象による影響を大きく受けている。

それ以前の全体主義、国家主義から脱皮して、個人の自由や尊厳といった部分を重視するあまり、愛国心など 「 公共の精神 」 が疎かになっている。

つまり、単純に愛国心だけの問題ではなく、物事の仕組みや価値観の尺度に対する観点が、「 個人 」 なのか 「 公共 」 なのかという違いが大きい。

どちらが善で、どちらが悪ということでもないが、あまりに個人を重視しすぎると、全体の質的低下や、公共の利益を犠牲にせざるを得ない。

わかりやすく言うと、ごく一部の脱落者や、ルールに従わない者を庇いすぎると、全体の質が伸びないし、秩序が保てなくなってしまうのである。


過去の全体主義、愛国主義に比べて、国民一人一人の個性や自由を尊重する社会は、多様な潜在能力を開花させ、個人の可能性を拡大した。

しかし、その一方で、己の利益や我侭のためには、公共の利益を侵したり、秩序の低下を招くことさえ怖れない風潮を生み出してしまった。

ここで、「 教育現場を変えない 」 ということは、前者の利点を維持するためには、後者の問題点を放置するという論理と同じである。

いじめによって小学生が毎日、首を吊っても、教職員が不祥事を重ねても、それでいいじゃないかというのなら、何の改正も必要ない。

いや、それは具合が悪いだろうと思う人間が多かったから、今回の改正に至ったわけで、これからも状況によっては変え続けていく必要がある。


ちなみに、2005年度にうつ病などの精神疾患で休職をした公立小中高の教職員の数は、前年度比619人増え、過去最高の4178人に上っている。

調査結果によると、病気全体による休職者の数は7017人なので、全体の約6割は精神疾患ということになるが、他の職種に比べて割合が高い。

懲戒処分 ( 体罰、わいせつ行為、交通事故などによる )を受けた教職員は1255人、その他、訓告、諭旨免職を含めた処分者総数は4086人だ。

また、指導力不足と判断された11人のうち4人が、教職員として相応しくないとされた25人のうち17人が、分限免職として処分されている。

これが日本の教職員の実態であり、知識面、実務能力面、精神修養面など適性を総合的に判断して、「 無条件に信頼できるスタッフ 」 とは言い難い。


この実態を知らずして、「 国家が教育現場に干渉する 」 ことの是非は語れないのだが、かといって、この実態を広く知らしめるのもどうかと思う。

大事な子供を預ける父兄にとって、これほど多くの精神疾患者や、犯罪者、犯罪予備軍が教育現場に居ることは、受け容れたくない事実である。

それよりも、ある程度、決められた枠組みの中で、個々の裁量が問われないような指導要綱や、管理システムを構築するほうが現実的、効果的だ。

行き過ぎた個人思想は、個人主義を逸脱して利己主義を煽り立てた結果につながり、その反省を、今後に活かすのが今回の 「 改正 」 である。

個性も大事だが、いま一度 「 公共の精神を重視する観点 」 を、生徒に説く前に、教職員に浸透させることから始めることが、なにより望ましいようだ。






↑ エンピツ投票ボタン です。 一度クリックする毎に筆者が踊ります。

My追加


 < PAST  INDEX  NEXT >


Oldsoldier TAKA [MAIL]

My追加