誰に読ませたい日記でもないけれど、他人の反応も少しは気になる。
だから、メールや、掲示板への書き込みは、欠かさずチェックしている。
星の数ほどあるホームページの中から、こんなしがないサイトを発見され、しかもご意見までくださる読者の方は、筆者にとって貴重な存在である。
当然、ご意見は真摯な態度で受け止め、ご質問に対しては、なるべく迅速に、可能な限り誤りの無いように返答しなければならないと心得ている。
通常なら、メールへの返答はメールで、掲示板への書き込みは掲示板で、返事をさせていただくし、原則として個人的な内容は第三者に公開しない。
ただ、中には 「 日記のネタ 」 にしたいと思うものも含まれる。
そういうのは大抵、投稿者のみならず、多くの方が興味を持っていただけるであろうと思える内容で、ちょっと返事に 「 行数を要する 」 ものである。
今回は、掲示板にいただいた 『 テヨテヨさん 』 からのご質問である。
ご質問内容は、『 これからは商売をするのに、何が必要でしょうか 』 だ。
彼は、山口県在住の大学生で、このサイトを通じて知り合ったのだが、出身地の大阪に帰省されたとき、一度、実際にお会いしたことがある。
ちょっと昔気質で純朴なところがあり、たぶん、いまどきの大学生で、こんな 「 直球の質問 」 をしてくるのは、彼ぐらいのものだろう。
同じ質問を薄汚れた大人から受けたら、「 そんなことがわかったら、自分でボロ儲けしとるわい 」 と答えるところだが、真面目に考えてみようと思う。
質問文に 「 事業 」 ではなく、「 商売 」 と書いておられたし、基本そのものが業態によって異なる部分もあるので、ここでは小売業に絞ってみる。
取り扱う商品を何にするかという問題もあるが、各種小売店全般に共通しそうな項目を抽出して、「 必要なこと 」 を考えてみる。
実際、繁盛している店舗にはそれぞれ別の特徴があったり、それを誰かが真似しても流行らなかったりで、すべてが理詰めでは解明できない。
ただ、だからといって 「 運まかせ 」 と答えるわけにもいかないので、ここでは私の思う 『 理想的な店舗運営 』 について、説明したいと思う。
ここらへんを武装していたら、はたして、儲かるかどうかまでは保証できないけれど、「 いい店 」 の条件は揃えられるのではないだろうか。
まず、頭の中に「 5つの縦軸と、3つの横軸 」 を思い浮かべてほしい。
縦軸は、�� 商品の品質 [ Quality ]、�� 接客サービス [ Service ]、�� 清潔さ [ Cleanliness ]、�� 雰囲気 [ Atomosphere ] 、�� 経営管理 [ Management ] だ。
この5つの要素を実現するにあたり、「 ハードウエア 」、「 ソフトウエア 」、「 ヒューマンウエア 」 という3つの側面を、各々、密接に関連付けていく。
ここでいう ハードウエア とは、建物、設備、備品など 「 物の類 」 であって、ソフトウエア とは、マニュアル、技術、技能など 「 ノウハウの類 」 である。
ヒューマンウエア とは、参加する従業員の力であり、具体的にいうと、店長のリーダーシップ、組織のチームワーク、士気など 「 人間関係 」 を指す。
こうやって、「 5つの縦 」 と 「 3つの横 」 を結ぶ 「 15の線 」 を描き、それぞれに明文化したマニュアルを作って、「 メインシステム 」 を構築する。
当然、「 自己満足のメインシステム 」 を決めたぐらいで商売は繁盛しないから、組織をスムーズに稼動させる 「 サブシステム 」 が必要となる。
それは、業務分担とか、教育訓練とか、評価制度とか、組織を十分に動かすための “ 補助的な仕組み ” で、業務遂行レベルを向上させるものだ。
このように、科学的な経営手法に裏打ちされた 「 テクノロジー 」 を持った人間が、体系的、相互関係的に、システムで店舗運営を行う。
理論としての 『 商売に何が必要か 』 については、だいたい、このあたりが基本ではないかと思うのだが、参考になったであろうか。
ただ、こんな理屈は、経済をかじった人間なら誰でも言えるし、そこそこの企業でマネジメントに携わった人間は、百も承知の話である。
私の本音的には、「 企業文化の成熟度 」 という点が、もっと重要だと思う。
それは、言葉や数字だけでは理論的に説明できない概念で、具体的には、社風、伝統、創業者の経営哲学、経営方針、組織力、人材の質などだ。
そして、なにより大切なことは、経営者自身のリーダーシップとか、能力や、資質、性格などを総合した 「 人間力 」 が、最後には成功の決め手となる。
もしも、自分の問題として 『 商売に何が必要か 』 を考えておられるのなら、昨日の自分に誇れる 「 今の自分 」 を磨くことこそ、最も必要なことだろう。
|