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CARP's capricious Diary
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2004年01月05日(月)
闇の炎

昨日の日記を書き終え、
適当にテスト勉強し終え、床についた
ふと、外からパトカーとサイレン音が
なんだろうと思いながら目をつぶる

22時ごろ転寝したためか眠れない
MDウォークマンをベッドの脇に置き
音楽を聴いていた
ふと目を開けると真っ暗なはずの部屋が青い
光源に目をやるとコンポの液晶 つけっぱなしだった

しばらくしてウトウトしかけたとき
なんかMDの音をさえぎり外から音が聞こえた気がした
目を開けると、また部屋が明るい 今度は白色だ

携帯のメールだった
「火事だ〜。家から見えるところでエライ燃えてるぞな」
(2:42 きへいさんより)
ウォークマンをはずすといくつものサイレンがこだましていた

結局は家から1kmほどのところの火事
位置関係でうちの家からは見えなかったけど
窓を開けると少し焦げ臭かった

朝一の近畿のニュース(7:30)では
全焼で一人行方不明とか

その後、朝ごはん時に「震災 学生荘が燃えた」と言う新聞記事を読んだ
(朝日 13版 29面)
9年前の阪神大震災のときの話だ
倒壊した学生荘 自分は助かったけど
隣人ががれきの下に埋まってしまった
瓦礫を除け、上半身が確認できたがどうしても助け出せない

「絶対助けるからな」

「おう」

「どこがひっかってるんや?」

「ひざがどうしても抜けんのや」

30分後、「火が来るぞ」と言う言葉とともに、焦げたにおいが

隣家はもう燃えていた

「早く逃げろ」

「何か道具はないか」

火の粉降りそそぐなか、がれきを手当たりしだいのけた

「もういいから、逃げてくれ」と落ち着いて埋まった男が言った

誰もが顔を見合わせた

「ごめんな」

と最後にかけた言葉

返事は無かった

顔を見ないままみんな廊下へ下がった



他の部屋でも下敷きになった人が

「大丈夫か?」

見えている右手が動いた

瓦礫をとり、顔が見えかけたとき 火が隣室に迫った

「助かるんかな?」とつぶやくようにみなに尋ねた

誰も答えられずにその場を離れた



炎が荘を包んだ

「助けてくれ」と叫び声の後、黒煙に包まれた

立ったまま焼け落ちていくのを

みんな何も話さずに、泣きながら見つめていた


人・生物は生命・物を生み出すことが出来る
逆に炎をは生命・物を燃やした
さらにまわりの感情までもにダメージを与えた

物は作り直せても
失った生命を戻すこと、深く傷ついた感情を戻すことは出来ない

火を使うことから始まった文明社会
水と同じで
使いようによれば、これほど便利・快適さを与えてくれるものはない
でも、火はやはり恐ろしいもの
その恐ろしい方の火を意図的に利用してる者がいるのではないか
それは人間ではないだろうか

本当に恐ろしいのはその炎を使う、闇の炎を持った人間の心かもしれない