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2003年05月20日(火)☆今日はこれから遊びに行きます

クリーニングは明日取りに行こう。
微妙に遠いところに出したから(歩いたら20分弱?)雨が降りそうだしやめといた方がいいという結論。




「ハノンさんお仕事訪問(後編)」


着いた。
着いてしまった。
あああいかわらずいつ見ても、庶民の想像を越えた豪華なつくりの会社ですこと。
いつ見てもっていっても2〜3回しか来たことないけどさ。

とりあえず困るのはあれだよ。
受付っていうか。
例のあれ。「身分証お持ちですか」ってやつ!
どうしようかな、「遊佐の妻です」と「遊佐の家内です」どっちの方がいいの?
そして「彼に訊いていただければわかりますから!」とか言うのでしょうか?
なんか、高飛車に言ってのけた方がいいのかしら?
とか思っていたら、
「そこの方、なにか御用ですか」
と、心構えもできていないうちに警備ですみたいな人に声をかけられてしまった。
「え、あ、の」
なんだこいつ、とかいう目で見るのはやめてくださいませんか。
最近新さん以外の若い男性と話すことなんて滅多にないんですから!
ちょっとくらいどもったって仕方ないでしょ。
「あのわたし」
「飯田さん、そのひと僕の連れです」
やっぱり妻のほうがいいか、軽めで、と思って話し出した直後、背後から声が聞こえた。
見上げんばかりの長身と、さわやかってこういうことです、って言わんばかりの笑顔。いっそわざとらしい。
なにが連れだよこの野郎。
あたしに恩を売ろうってったてそうは行かないんだから。
「あ、前島さんのお連れ様でしたか、失礼いたしました」
アンタも簡単に引き下がるな!
「違います!」
「は」
「私遊佐の家内です!」
あ、妻って言おうとしたのに家内って言っちゃったよ、前島のせいだよもうー!
と思って振り返って睨み上げてやったら、前島は盛大に笑った。


「で、なんで若奥様がこんなところに?」
前島和史、26歳。
新さんとは幼少の頃からの大親友。
海外事業部でバリバリ働くエリートだ。
彼と歩くだけで会社の女の子たちがこっちを振り返る。
どこがいいのこんな自信家!
新さんの方がずっといいじゃない!
「新さんの忘れ物届けに来たんです」
「ほー」
「なんなんですかその奥歯に物が挟まったみたいな言い方」
「そんなつもりはございませんが、若奥様?」
「その言い方、やめてくださいません?」
何その薄ら笑い、あたしが21歳のコムスメだと思ってバカにしてるでしょ!
ぷい、とそっぽを向くと、背後から忍び笑いが聞こえてきた。
「馬鹿にしないで下さい!」
「いや、そんなつもりは、はは」
わらってんじゃねーかよ。
その顔のどこが馬鹿にしてないって?
と思ってすたすた歩いたら、何かにぶつかった。
「あ、ごめんなさい」
「…あれ、ハノン?」
謝ってみたら新さんだった。
一瞬見えた会社用の顔がみるみる「家仕様」になったことに満足感を覚えるようになって、自分も落ちたものだとなんとなく思う。
「それ着てくれたんだー。やっぱり似合うね、最初は誰かと思ったけど」
「そ、んなことより携帯電話を…」
「あ、ありがとう、わざわざごめんね」
「お前完璧にここが会社だって忘れてないか?」
「あれ、和史いたんだ」
「いたんだってお前、俺入り口からハノンちゃんと一緒だったんだけど?」
げげ。
ハノンちゃんとか呼ぶなよ気持ち悪い。
「あ、そうだったんだ。今日は何?出張帰り?」
「そ。あいかわらず元気な奥様で」
「かわいいだろ」
「堂々と惚気るなよ」
「お前にくらい惚気たっていいだろ」
「はいはい」
そう言って、長身の新さんの頭をくしゃくしゃ乱暴になでる前島。
やめろよー、と笑う新さん。

ちりちりするのは嫉妬てやつでしょう。
私が前島を毛嫌いするのはこいつのしわざだって、本当はわかってる。
あたしは新さんと一緒にぬるま湯に浸かっていることしかできないけど、コイツは色々手助けして一緒にいろんなところに行くことができるんだもんな。
あたしにはそれが羨ましい。

と、不意に頭をなでられて顔を上げると、新さんが笑って言った。
「今日は夜には帰るから。夕飯、何?」
「…豚の角煮とか…」
「角煮?」
「う、うん」
「なんでハノンって僕が食べたいものわかっちゃうの」
「え?」
「仕事終わったら大急ぎで帰るね! じゃ、ありがとう」
角煮で大丈夫でしたか…?
「メロメロだな、あいつ」
「あ、前島さんまだいたんだ」
「まぁ、アンタみたいな最強な奥さんならそれも当然かね」
「何最強って」
首をかしげると。
前島は笑って。
「俺にも嫉妬するくらいに新のことを愛してるってことだよ」
と自信満々に言った。
き、気付かれてたか!
と思いつつ悔し紛れに睨み上げたら、
「せっかくだから愛しの新さんの仕事姿でもこっそり見ていけば?」
って前島はホールドアップしながら笑った。

ええもちろん。
言われなくてもそのつもりですとも。





前島君を出したかった感はぬぐえません(笑)、後編。
新さんの仕事姿を見るところを書くべきか迷ったんですが。
やめときました、それはまた次の機会に。
今回は「嫉妬する」をテーマに(笑)。
でも私が書くと嫉妬も変な感じだな。
大体私、「浮気は申告制で」って言ってみんなから顰蹙を買ったくらい恋愛観がおかしいからなぁ…(ま、実際にやってみたらまた違ってくるのかもしれないんですけれども)。

はてさて。
天気が微妙ですねぇ。
明日は晴れるらしいけど。
今日はところによっては雹が振るらしいですよ。
皆様ご注意ください!


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