笑う角に光りあれ...オレステス・デストラーデ

 

 

けがれなき酒のへど - 2022年02月05日(土)

西村賢太死去のニュースを目にし呆然とする。
彼の生き様を小説越しに覗いてきた身からすれば、こんな素晴らしい死に様は無いとは思うけれど、余りにも突然すぎて言葉ににならなかった。

コロナが始まって、時間を持て余した自分に読書の楽しみを改めて感じさせてくれたきっかけが彼の作品であった。
作品によって到底承服し難いような表現に出くわすことは多々あったけれども、小説を通して感じる生き様、そして連綿と連なる私小説の系譜を知ったことは、自分の新しい1ページを切り開いてくれ、音楽と双璧を為すぐらいの充足感を自分に与えてくれたと思う。

破滅型の人生を歩んでいるいる人間にとって、54歳と言うのはあまりにも冗長すぎる年齢かもしれないけれど、これからその歳を迎える人間にとっては、貴重な道しるべを失ったような気がしてならない。


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