かなしいうわさ
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2006年05月17日(水) 534

Red Hot Chili Peppers /Stadium Arcadium
cover
映画のクライマックスで流れて人々の涙を誘うようなバラードや、DJが好んでプレイしてフロアを沸かすようなフックのきいた目立つ曲は一切無い。とても地味だ。でも、地味でつまらないわけではない。最高の地味曲ばかりだ。滅茶苦茶気に入って何度も聴いたアルバムって、シングルカットされたリード曲よりも、ひっそりと埋もれた地味な曲をやたらと気に入ってしまったりするものだ。派手な曲はすぐに飽きてしまうけど、いつのまにか心の隙間にするりと入り込んできた地味な曲は、ずっと飽きずに心の隙間に居座り続けてしまったりする。そんな最高級の地味曲ばかりで2枚組28曲もの時間が埋まっている。そんなアルバム、俺は今まで聴いたことがないよ。これは凄い事だ。史上最強、無敵の地味盤。咬みに咬みまくってしゃぶりにしゃぶりまくろう。なにしろ28枚も入ったお徳用パックだからね、このスルメは。

地味だけど飽きずに通して聴けるのは、ジョン・フルシャンテのギターの力に拠るところも大きい。これ地味だー詰まらんわい、という人はもう一度ジョンのギターに耳を注目してはじめから終わりまで聴いてみるといいよ。魂が抜けるほど気持ち良い瞬間がそこらじゅうにある。クロスロードで悪魔と取引しちゃったのかもしれないね、ジョンは。次のアルバムが出るまでこの人は生きていられるのだろうか?と心配にすらなってしまう程に美しい。









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