かなしいうわさ
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2003年12月30日(火) 232 アイデン&ティティ

みうらじゅん作の(珍しく真面目な)マンガを、盟友田口トモロヲが監督として映画化した「アイデン&ティティ」
なにしろ原作が大好きなので、出来に若干不安になりつつ、徹夜明けの足で梅田に観にいってきた。





青臭くて青臭くて仕方ないし脚本もぎくしゃくしてるし主役の中島役の峯田は演技へたくそだしで映画としてのクオリティはあんまり高くないけどそれがどうした。主人公の中島は、ロックをやる必然が見つからなくて、けどロックをやりたくてやりたくてそしてそれしかできなくてもがき空転する。その様がすごくみっともなくて、すごくきれいで、もちろん他人事だなんて全然思えなくて (誰もが持ってそうで持ってないティティ!どこでも売ってそうで売ってないティティ!) 、グリグリと胸を突かれて、映画館で何度も肩震わして泣いてしまった。泣きっぱなしで常に鼻グシグシさせてた。終わってトイレ行って鏡見たら目真っ赤。
監督はじめ、映画に出てる人達全員の熱意がビシビシと伝わってくる。こんなに思いや熱意が集まっている映画が面白くないわけないよ。配役も脇役まで含めてこれ以外考えられないほどぴったりなんだけど、なんと言っても中島役の峯田(元Going Steady、現銀杏BOYZ)が最高。この映画は彼がいなかったら有り得なかったと思う。サントラは観終わってから即買ったけど、ゴイステも買って聴きなおさなきゃ。もちろんディランも。


終演後、会場にいるカップル(死語)達を見るともなく見ていると、総じて男がメソメソと鼻すすってて、女の子はケロリと「面白かったね!」とか言っている感じだった。うーむ 確かに完全に男の子(と言っても40代だけど)が描いたお話であるので、女の子がこの映画をどう感じるのかは興味があるな。中島の彼女も男が思い描く理想の女性として相当都合良く描かれているかんじ...そんなことないか。


なにはともあれ、素晴らしい素晴らしい素晴らしい青春ロック映画。
年末年始のお休みの間に是非是非是非。








【今日曲】
cover
峯田和伸 /アイデン&ティティ

この人、うまくないけどすごくせつない声をしている。
良い曲、いい歌詞、うん、こりゃディランも褒めるわな。







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