かなしいうわさ
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2003年09月21日(日) 201

cover
・SION /光だけが光じゃない+SION-YAON (DVD)
俺がシオンを聴き始めたのは「夜しか泳げない」だった。赤羽の図書館あたりで借りてきて、「うーんおとなのせかいだなぁ」と思いながら良く聴いていた。とくに『12号室』という彼の幼少の頃の話をぽろぽろと語り歌う曲には、よく出来た映画を2時間かけて観るのと同じ程の物語が一曲のなかに詰め込まれていて、それはたとえば当時仰天してとりつかれたように聴いていた真島昌利の『アンダルシアに憧れて』のなかのなかの物語を遥かに超えていて、それはもう凄くて、チンコの毛も生え揃わない当時の俺はそれに感動するというよりもひたすらびびりながら聴いていた。 それ以降のアルバムが俺にはあまりしっくり来なかったのでなんとなく疎遠になり現在に至っていたのだけど、「夜しか」当時のライブが2in1でDVD化で3500円でリリースされたのを知って、あぁそれならお得だ買ってみようと思ってこれを買ってみた。素晴らしかった。なんか普段触られない部分をぐりぐりされたような気になった。今の俺は彼の歌をさすがにびびりはしなくて、すっと感じ入って泣けたりしたんだけど、でもこのぐりぐりされる感覚はむかしチンコ毛なしな俺が感じていたものと同じかもしれないなと思った。そういうふうに昔の自分の気持ち(らしきもの)が今の自分にすっと現れるという事は今まであんまり経験が無くて、なかなか良い感じだな。 俺が見たり聴いたりしてきた、記録物としてのライブ盤&ライブ映像としては、ボ・ガンボスの「Hot Hot Gumbo '92」がベストだと思っていて、これを凌駕するものなんて一生出やしないだろうというか出てたまるかってんだ馬鹿ヤロと思ってたんだけど、シオンのこれが凌駕した、かもしれない、少なくとも同じくらいは良いよ。うーん、よかった、こういう嬉しいことがたまにあると、ふらふらよろよろとでも生き続けていくのもまぁいいかな、と思えるね。


【今日曲】
SION /俺の声

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