池ポエム
ハンス



 今夜は寝かさない(大富豪的な意味で)

ストライプスもそれぞれの部屋に戻り、部屋には二人だけになった。無事収録も終わったし。最後に儀武さんのトランプだけがベッドの上に置きっぱなし。
「これ、どうする?」
元々の部屋の主に向かって声をかける。
「あれ?長田さん置いてっちゃったんだ。明日朝渡しとくよ〜」
沖縄に着いた頃にはもう日が落ちていたから、まだまだ日に焼けてない白い肌がまぶしい。なぜか半分脱いでるし。
「あいちゃん、部屋戻んないの?」
「う〜ん……」
明日も朝早いから、彼女はシャワーを浴びてすぐ寝るんだろう。だからこその脱ぎかけなんだけど、半分酔った頭にはその細いお腹だけが輝いて見える。
「触らせて」
「え?何を?どこを?」
「お腹」
了解を得るより早く、後ろから忍び寄ってお腹タッチ。細いなぁ。白いなぁ。両手で包めちゃうんじゃないだろうか。普段、明るく元気な彼女からはあまり感じたことがない女性らしさ。酔っているせいか、南国気分で浮かれているせいか。めまいのように頭の奥がくらくらする。
「あいちゃん、酔ってるでしょ」
「うん」
明日の夜に、彼女は一足先に沖縄を発ってしまう。浮かれた夜は、今夜だけ。
旅の勢いにまかせて、今夜だけは。

2013年08月05日(月)
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