どんぐり1号のときどき日記
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| 2005年07月20日(水) |
「立喰師列伝」は来春公開 |
今日も仕事が忙しい。いろいろと矛盾も多く無用な苦労ばかりだ。
そろそろあちこちから、押井守監督の次回作である「立喰師列伝」の話が聞こえてくる。さすがはSF大会で企画部屋を持っただけの事はある。 しかし感想を書いている人たちは、この作品はもとより原作の本当の凄さが全然判っていないようで、それはコアなファンでも同じだ。何故あの本の凄さが判らないのかは、やはり戦後の日本史に興味がないからなのか。特に学生運動あたりの歴史は、あまり語られる事が多くないこともあって、非常に曖昧な歴史になっているせいもあろう。 だが押井監督は、戦後の日本のバイタリティーと胡散臭さを、実はほとんどの作品で見事なまでに表現している。テレビの「うる星やつら」ですらそうだったのだ。
ところで一般の大きな誤解に「押井作品は難解だ」というのがある。 実は難解でもなんでもないし、どうしても判らなければ飛ばせばいいだけだ。細部としては判らなくともそれが作品を理解する上で妨げにはならないような作りになっている。 もっとも細部が判った方が楽しいのは言うまでもないが、基本的に自分で考えながら映画を見る人にとっては、何の問題もない作りになっているのである。
等と描きながら、さすがに「天使のたまご」に関してはやりすぎだと思う。あれは「押井作品の映画としては失敗作」であろう。理由は単純で、彼の作品は基本的に娯楽作品なのである。けっして実験作などは作っていない。表面的な技術では実験しても中身はあくまでエンターテナーなのである。そこを誤解している人がなんと多い事か。
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