阿佐ヶ谷スパイダース PRESENTS 「はたらくおとこ」

2004年04月06日(火)
阿佐ヶ谷スパイダースの公演を観てきた。
場所は下北沢本多劇場。
本多劇場は去年の夏にウーマンリヴ観に行って以来2度目。
阿佐スパがここでやるのは初めてらしい。

今日は朝早くから電車乗って、実家から学校へ。
ゼミの会議→学年ガイダンス→ゼミ会議→帰宅→下北沢
という感じでわりと忙しく過ごしました。

んで、阿佐スパですよ。
年末の「ともだちが来た」以来の。
今回は、いつも通りの長塚さん作・演出のお芝居。
8人の男と1人の女の物語。
今回は男の芝居って感じでした。ま、タイトル通り。

えーと。
ネタバレるかもしれないので
これから観る予定のある方は以下読まれないほうが良いかと。





渋いリンゴを作るのが夢である、パッキン工場の男たちと
農薬を使いまくる地元のリンゴ農園兄弟たち。
潰れたパッキン工場に工員が運転するトラックが
突っ込んできたところから物語が急展開をはじめる。

観終わっての感想は、正直とても苦しかった。
グロい場面があったという身体的な苦しさもあるけど
それは結構後ろの席だったのであんまり辛くなく見れていた。
では、なにが苦しかったのかというと
「なんでいつもたて続けに人が死ぬのか」
と思ってしまったから。
昨年公演「みつばち」の時も人がたくさん死んでたから
そう思ってしまってるだけなんだけど。
苦しみながら死んでいく人を見るのが辛くて。
もやもやした気持ちが、なかなか治まらなかった。

最後はなんか、え?夢オチ?みたいになって。
ポカーンとなってしまって。
いや、決してつまらなかったわけではなく
ラストシーンの一言は納得のいくものではあったんだけれど。
過去の過ちに対する呵責とか
コンプレックスがあるために行動が裏目にでて悪循環してるとか
共感できる部分はある。
人間の弱いとこ醜いとこが、痛々しく鮮烈なんだけど
笑いどころもいっぱいあって…

ああ、なんかもやもやするよぅ!

っていう気持ちだった。アンケートもそのまま書いた。
けどやっぱり演劇の持つ役者のパワーってすごい。
工場の社長・中村まことさんが良かった。
パワーがものすごい伝わってきて、ビシビシと。
至近距離で観てたら、そりゃもうかなりの迫力だったでしょう。
阿佐スパのみなさんは言わずもがな。良かった。
中山・伊達の兄弟役サイコウっすね。しかも泣き虫。
いつ見ても伊達さんの泣き演技は素晴らしい。
中山さんのキレ演技も好き。女に裏切られた時とか最高だよね。

阿佐スパの3人って、みんな声が良い。
長塚さんはお父様と同じトーンで渋いしさ。
中山さん伊達さんも声の高さとか、頭の中に残って離れない声。
持ち味はもちろん声だけじゃないけどね。
いやはや素晴らしい。

あー、あと音楽も良かった。
今回は暗転した時とかドラムとギターの激しい音楽が使われてて
それがもうすっごいドキドキして
ラストシーンに近づくにつれてその音にドキドキしまくって。
たぶんいつもよりドキドキさせられた。

ドキドキもやもやですよ!

もう一回くらい観たいけど、高いからもう無理。
阿佐スパの舞台はもうビデオ化がないらしいので
今後見直すことは叶わないのね…
その一回限りの生なのが演劇ってものだけどさー。
初めて阿佐スパを観た「ポルノ」とか
本当にもう一回観たいんだよー。見たいんだよ。
あー、せつない。

次回公演も楽しみにしています。




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本当はこの日記、当日中に書きたかったんだけど
ぐったりして寝ちゃって。今は7日の夕方です。はぁ。
気持ちが飛んじゃってなんだかグダグダだよ。




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